いまよりも意識的に時間や人づきあいを管理する、と聞くと気が重くなるかもしれないが、人が働いてきた歴史の中で、いまほど誰と何をするかをみずから決められる機会に恵まれた時代はない。この柔軟性にもかかわらず、我々は人が自分の優先順位を決めたり、スケジュールを埋めたりすることを不必要に許し、せっかくの権利を移譲してしまっている。

 医薬品メーカーのオペレーションズリーダーであるアマラは、昇進が決まったとき、交渉して週に1~2日は在宅で仕事ができるようにした。アマラはインタビューで、こう話してくれた。「当時、『そんなこと、どうやってできたの?』とよく言われたので、『できるかどうか聞いたんです。聞いてみたことはありますか?』と答えていました」。自分の行く道を塞いでいるのは自分、ということもある。

 我々は、いい会社に入って、やりがいのある仕事や立派な肩書き、高給を得ようとして頑張る。その中で、人と関わることの重要性をかなり低く評価してしまっているが、充実感を与えてくれるのは理想の職ではなく人である、ということが調査によって示されている。

 自分の目指す北極星を知り、そこに導いてくれるリレーションシップに根を下ろし、そこから遠ざけるものから身を守る。そうすれば、いまいるその場所で満足を得ることができるのだ。


HBR.org原文:To Be Happier at Work, Invest More in Your Relationships, July 30, 2019.

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ロブ・クロス(Rob Cross)
バブソン大学エドワード A. マッデン記念講座教授。担当はグローバルリーダーシップ。The Hidden Power of Social Networks(未訳)共著者。