●部下が自分を恐れていると考え、自分を省みて観察する

 部下に自分のせいで神経質になっていないか尋ねたとしても、力の差を考えれば、おそらく本音は出てこないだろう。

 自分がさまざまな状況で、どのように振舞っているかを考えてみるとよい。顧客に対するのと同じように、丁寧に部下と接しているだろうか。それとも部下を軽んじていないだろうか。不満を表すときに、自分の口調や決まり文句を出しすぎていないだろうか。

 自分の行為に目を向けるだけでなく、部下の行為も観察してみよう。あなたの近くにいるのに目を合わせるのを避けたり、目が合っても逸らしたりしないだろうか。部下が反対意見を出さないようにしている様子はないだろうか。

 ●チームのカルチャーについて自由回答式の質問を投げかける

 部下が自分のチームをどのように見なし、仕事についてどのように感じているかについて、幅広く意見を募ろう。過去6~12ヵ月間で、自分の考えを表明できないと感じたとき、逆に表明できると感じられたときのことを教えてほしいと部下に頼もう。部下がそのように感じた「かどうか」ではなく、感じた「とき」を尋ねることで、彼らが「感じたことはない」と答えて経験を分かち合う機会を諦めてしまうのではなく、記憶を遡って自分が経験したことを思い出すように促すことができる。

 ●自分の恐れを他の人に投影していないか確認する

 多くのリーダーが、失敗を恐れるみずからの気持ちに対処するために、自分自身と周囲を追い込み、同じ恐れをチームにも植えつけている。

 あるグローバルなフォーチュン100企業で、私がコーチをしていたバイスプレジデントの例を考えてみよう。彼の下で働くスタッフは、ミスをしないよう神経を尖らせていた。部下の仕事を事細かに矯正する彼は、自分を完璧主義者と見なし、それを誇りとしていた。

 彼は最近昇進したのだが、シニアエグゼクティブとして多くの人が経験してきた苦悩を味わっていた。自分の時間を戦略面の検討に割り当てたり、部下に権限を与えて戦術面での対応を任せたりするのではなく、マイクロマネジメントを続けた。そしてすぐ、自分に課せられた結果を出せないのではないかという不安をグループに投影しているのだと認めた。

 ●自分の「つながり」と「矯正」の比率を変える

「矯正する(correct)」のではなく「つながる(connect)」エグゼクティブは、職場にある恐れの気持ちを取り除く。代わりに有意義な対話を持ち込み、成功の定義をともにつくり出し、共有する手助けをする。

 人の仕事を矯正する癖を変えるのに、長い時間はかからない。私がコーチをしたCEOは1ヵ月間、部下を矯正したい気持ちに駆られるたびに、「部下とつながろう」と日誌に書き込んだ。その後、みずから判断を下すのを止めて、今後のやり方の話し合いに部下を招き入れた。

 彼は次のように部下に伝えた。「私は、君たちの見解を取り入れようとせずに、君たちを矯正してしまっていると自分でもわかっている。君たちの貢献を評価しているので、その習慣を変えたいと思う。また、自分の習慣を正すことが私にとっていかに重要かを共有させてほしい。そうすれば、私たちは同じ認識を持って、一緒に計画を決められる」

 ●自分の弱さを見せる

 安心できる雰囲気をつくり出すマネジャーは、部下の意見の相違を歓迎し、チームのコミットメントを高めるために、時として自分の力を抑制する。だが、そのためには「弱さ」が必要だ。

 あなたが間違っていると部下から指摘されるのを、苛立ちや自己防衛の姿勢を見せずに認めたことがあったかどうか、考えてみるとよい。これまでになければ、部下の指摘を認めることを検討すべきである。

 それが自分を弱く見せるのではないかと心配しすぎてはいけない。そうではなく、「しくじり効果」を思い起こしてほしい。一般に有能な人ほど、ミスをするとより魅力的に見えるという効果だ。研究によれば、好ましさは成功を収めるリーダーとして見られるための必須条件だという。

 上司の中には、アグレッシブでいることが成果を上げるための唯一の方法だと信じている人もいるし、そのようなアプローチが奏功する場合もある。だが、部下の気持ちを認識しないままマネジメントしていれば、マネジャーは重要な人材を失って職場にさらなる機能不全を招きかねず、ひいては生産性を低下させる。

 部下があなたのマネジメントをどうとらえているか理解を深めれば、部下をプレッシャーで追い込んだ結果、離職にまで追い込むような行動をせずに済む。


HBR.org原文:Does Your Leadership Style Scare Your Employees? July 25, 2019.

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ニハール・チャーヤ(Nihar Chhaya)
アメリカン航空、コカ・コーラ、ゼネラル・エレクトリック、デルなどのグローバル企業で、エグゼクティブ向けのコーチングを行う。フォーチュン500企業で人材育成部門のトップを務めたのち、パートナーエグゼク(PartnerExec)の社長として、事業および戦略上の優れた成果を出すために、リーダーに必要な人間関係の秘訣を習得する手助けをしている。パートナーエグゼクのサイトから、緊張を与えずにチームにフィードバックをするためのアドバイスにアクセスできる。