昨今、1つの企業に縛られる働き方を脱し、複数の肩書きを持って柔軟に生きるキャリア、すなわち「ポートフォリオ・キャリア」に対する注目が高まっている。そのメリットばかりに目が向けられているが、実際に移行するのは容易ではない。企業人を卒業して理想の人生を歩むために重要な7つの方法を示す。


 私はこれまで、リーダーシップのアセスメントや開発、およびコーチングをする会社のトップとして、成功を収めたエグゼクティブとキャリアについて語ってきた。

 ここ数年間の会話の内容は、人気急上昇中で、著しく理想化され、想像力を掻き立てられる次なるステップ、すなわち「ポートフォリオ・キャリア」に集中していると言ってよい。

 フルタイムの企業人としての苦労や心配に明け暮れる日々と決別し、時に社外取締役、時に大学の特任教授、また別の時にはコンサルタント、たまに講演したり執筆したり、本の契約もありえて、自分のやりたい仕事だけをパートタイムで次々とこなしつつ、キャリアゲームの中にいながら、ちゃんとお金も稼ぎ、でも以前より幸せで知的な達成感も高く、以前より柔軟な働き方で……と夢は膨らむ。

 ポートフォリオ・キャリア(「複数の名刺を持つ働き方」と我々は呼んでいる)への移行を実施した、あるいは実施しようとしている上級管理職のコーチングやカウンセリングを行うなかで、予想以上に移行に苦労しているケースを、我々はたびたび目にしてきた。ポートフォリオ・キャリアの現実は、想像とは異なるのだ。

 誤解しないでいただきたい。ポートフォリオ・キャリアはやりがいがあるだろう。ただ、その移行を成功させるために、賢いエグゼクティブが知っておくべきことがいくつかある。