(5)イベントでは、内からではなく上から事業を眺める

 計画が行き届き、持続的な成果が得られるオフサイトミーティングとは、日常のオペレーションではなく、大局的な議論に終始している。この時間は、それに専念できるチャンスだと考えよう。戦略的な事柄や、会社では考える時間のなかった重要な課題にフォーカスする。日常の仕事に引き戻されないように、携帯電話は無視し、ノートPCを開かないこと。

 たとえば、これまで避けてきた、または対処するリソースのなかった問題を、この時間を利用して取り上げ、意思決定するのもよいだろう。例としては、存続できない製品ラインを段階的に終了させる、離職率の高さに対処する、部門間の連携を改善する、あるいは新しい国や地域へ進出するといったビッグアイデアなどだろうか。

 イベント中にチームからのフィードバック、決定事項、設定した目標などを記録するには、フリップチャートは使わず、代わりにアダプタを使って、あなたのコンピュータを大型スクリーンにつなげ、チームと一緒にその場で記録を作成していく。そのビジュアルによって、チームは情報を消化できるうえ、タイプされた議事録が残るため、イベント後、間髪入れずに配布できる。チームが会社に戻ったときにはもう受信箱に入っているようにすれば、メンバーは合意された計画に速攻で着手せざるを得ないだろう。

 ●スティッキーにするヒント

 イベントでは折に触れて「事業を上から眺める」という考え方を示し、必要に応じて参加者の目を足元の諸問題から離させる。「解決しようとしている問題は何か」「これにはどのレベルで対処する必要があるのか」「このミーティング終了後、最後までこれを遂行するには何が必要か」と何度も問い直そう。

(6)イベントの終わりに、全員でチームのガバナンス・プランを作成する

 オフサイトミーティングで得た学びや練った戦略を確実に実行に移すために、イベントの最後に時間を設け、合意した計画を進めるために各人がなすべきことをチーム全体で話し合う。次に、目標を達成するために必要なだけ、進捗確認の場をスケジューリングする。

 スティッキーなオフサイトミーティングにするために唯一かつ最も重要なのは、質の高いアウトプットを除けば、フォローアップミーティングと、その管理である。ガバナンス・プランの作成では、以下の点について考える。

・オフサイトミーティングで合意された計画や決定の遂行に関する互いの責任。
・スケジューリングの必要なイベント。
・各回の進捗確認の参加者とアジェンダ。
・フォローアップ会議の頻度と、アジェンダに書かれた目標を達成するために要する時間。
・ミーティングをバーチャルで行えるか、一堂に会する必要があるか。

 たとえば、「営業部門と配送部門の関係改善」がオフサイトミーティングの決定事項として挙がったとしたら、両部門との週例ミーティングを計画する必要が出てくるだろう。

 ●スティッキーにするヒント

 オフサイトミーティングでガバナンスプランに合意したら、参加者がまだいるうちに、進捗確認会議の日程を最初の数回分決めておく。そうすることで、全員が決定事項の完遂にコミットし、目標を再確認する場が用意され、必要に応じて進路を正す機会がつくられる。

 また会議をやるのか、とチームに嫌がられるかもしれない。カギは、最後まで目標を達成する重要性を強調することだが、同時に、会議を行う回数や所用時間、召集メンバーについては配慮が必要だ。結果は出すが、メンバーの時間を無駄遣いしない計画を立てるよう心がけよう。

 この年次イベントをスティッキーなものにできるかどうか、イベントが投資に見合うかどうかは、事前の入念な計画と、事後の意識的な完遂の両輪にかかっている。それができれば、チームは、より万全の心構えで、一丸となって真剣に業務に取り組むだけでなく、その時間を費やせたことに感謝するだろう。それ以上に肝心なのは、それが事業の健全性と繁栄にプラスになることである。


HBR.org原文:6 Tips for Running Offsites That Aren't a Waste of Time, July 22, 2019.

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メリッサ・ラフォーニ(Melissa Raffoni)
CEOのQOLを公私ともに向上させ、その高い目標の実現をサポートする少数精鋭のコンサルティング会社ラフォーニ・グループのCEO。CEOのリーダーシップ、実行力、戦略、影響力、求心力などの領域におけるソートリーダー(思想的指導者)として定評がある。