AIをワークフローに取り入れる

 必要なのは、そこからさらに進化して、AIをデータの中心的な処理機能としてワークフローに取り入れることだ。構造化データのみに頼る定型的な意思決定については、AIに任せたほうがうまくいく。AIのほうが人間の認知バイアスの影響を受けにくい。

 ただしバイアスのかかったデータを用いると、もっともらしく見えるが不公正な相関関係をAIが見出してしまうという、非常に現実的なリスクが存在する。データをどう利用するかに加えて、どう生成されるのかを必ず理解しておこう。

 AIを訓練することで、母集団におけるきめ細かいレベルでの差異を最も適切に表す区分要素を見つけさせることが可能だ(それらの区分は人間の直感的な認識にそぐわないかもしれないが)。またAIは、何千あるいは何百万というグループ分けも問題なく処理できる。そしてAIにとっては、非直線的な関係性の処理もお安い御用だ。指数関数、べき乗の法則、等比級数、二項分布、その他何であろうともこなせる。

 このワークフローのほうが、データに含まれる情報をよりよく活用し、意思決定に際してより一貫性と客観性がある。どの広告クリエイターが最も効果的か、どの在庫レベルを設定するのが最適か、どこに資金投資を行うべきか、よりよい決定を下すことができる。

 このワークフローから人間は除かれてはいるものの、AI主導のワークフローの目指すところは単なる自動化ではない、と認識することが重要だ。

 たしかに、自動化によりコストが削減されるかもしれないが、それは微々たるメリットにすぎない。AIの価値は、人間のみによる判断力を超えて優れた判断を下すことだ。それによって効率性が桁違いに向上し、新たな組織能力を持てるようになる。