「率先して行動する人か?」

 面接官は、指導力を発揮してイニシアチブをとる人を求めている(言うまでもなく、ほぼすべての採用に共通する要件でもある)。努力と意欲を示す最善の方法は、完璧に準備をして面接に臨むことだ。会社の業務内容や歴史、強みと弱みについて、明確に理解しておく必要がある。現役または元社員に知り合いがいれば、内部の情報を聞いてみよう。

 さらに、面接でよく聞かれる質問の答えを練習する。ただし、ここにはレオニード・ローゼンブリットとフランク・キールが「説明の深さの幻想」と呼ぶ大きなリスクがある。人は自分が本当に理解している以上に、世の中を理解していると思い込みがちである。複数の研究によると、たとえば、自分に専門知識があると思っている機器や業務について、実際にうまく説明できないという人は少なくない。

 面接に臨む際に大半の人は、自分の仕事の要点や、それが就職を希望している会社とどのような関連があるかについて、的確に説明できると思っているかもしれない。しかし、いざというときに、うまく説明できないものだ。

 だからこそ練習が重要である。練習の際に自分の知識が足りないところに気がつけば、そこを埋める時間はまだある。どのようなやり取りでつまずきやすいかを確認することもできる。そして、本番では適切な受け答えができるだろう。

 面接の練習を敬遠する理由の一つは、準備をしすぎると、自発的ではなく、演じているように聞こえるのではないか、と思うからだ。しかし、実際は予想していなかった質問もいくつか聞かれるだろうから、臨機応変に対応できるスキルを発揮する機会は十分にある。さらに、準備をしていることが相手に伝われば、あなたにとって非常に有利な材料になる。したがって、準備を惜しんではいけない。

 応募の資格要件を満たしていても、面接の準備を十分にしても、採用されないかもしれない。それでも、面接官と良い関係を築くことができたと感じたら、あらためて連絡してフィードバックをもらおう。

 ただし、その際は、面接のパフォーマンスを改善するために何ができるかという話だけをする。不採用の理由を問いただしたりしてはいけない。

 突き詰めれば、面接で注目されるための方法は、相手があなたを雇う前に、あなたについてどのようなことを知りたいのか、じっくり考えることだ。そこから始めれば、面接官が懸念を抱く前に、その懸念に対処できるだろう。


HBR.org原文:3 Questions Hiring Managers Want You to Answer, July 12, 2019.

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アート・マークマン(Art Markman)
テキサス大学オースティン校のアナベル・イリオン・ウォーシャム生誕100周年記念講座教授。心理学とマーケティング論を担当。また、同校ヒューマン・ディメンションズ・オブ・オーガニゼーションズ教育プログラムの創設ディレクターでもある。論理的思考、意思決定、モチベーションなどをテーマに、150以上の学術論文を執筆。最新刊は、Bring Your Brain to Work (未訳)。