1. 仕事の負担

 仕事の負担が自分の能力に見合っていれば、効率的に仕事を済ませ、休息して回復する余裕があり、仕事上の成長と発展のための時間をつくることができる。慢性的に過剰な負担を感じていると、バランスを回復する機会がない。

 仕事の負担のストレスと向き合うためには、以下の重要な分野で、自分がどのくらいうまく対処できているかを評価する。すなわち、仕事量の計画を立てる優先順位を決める他人に任せる「ノー」を言う完璧主義をやめる、の5つだ。

 これらの時間管理スキルのうち1つ以上ができていない人は、努力して、その結果、自分がどのように感じるかを経験してみよう。他人を喜ばせたがる傾向がある人は特に、自分の仕事の負担を減らすために先回りして行動すると、燃え尽きる感覚が大幅に軽減され、休息する余裕が生まれやすい。

 2. 裁量権の欠如

 自律性がなく、リソースにアクセスできず、自分の仕事人生に影響を与えるような決定に関して発言権がないと感じると、心身の健全性が損なわれやすい。自分に裁量権がないと思うときは、一歩引いて考えること──そんなふうに感じる本当の理由は何か。

 たとえば、上司が四六時中連絡をして来るから、常に応対できるように備えなければならないのか。職場の優先順位が常に変わるせいで、自分が成功できないのか。自分の仕事を効率的に遂行するために必要な物質的あるいは人的資源に関して、予測がつかないのか。

 では、この状況を変えるために、自分に何ができるだろうか。

 上司と話し合って、仕事とプライベートの境界線を明確に引き、24時間態勢で連絡を待たなくてもいいようにすることは可能だろうか。いくつかの優先順位を固定しようと、職場で合意をまとめられるだろうか。自分に何が必要かを周囲に伝えれば、もっと資源が充実するだろうか。

 これらの問題を考えれば、現在の状況を変えるために自分にできることと、自分が何を言ったりやったりしても変わらないことを、見極めやすくなる。

 3. 報酬

 仕事の外的および内的報酬が、仕事に費やした労力と時間に見合わなければ、割に合わない投資だと感じるだろう。

 そのような場合、どのくらいの見返りがあれば自分が適切に評価されていると感じるか、知りたくなるものだ。たとえば、昇給や昇進を要求したいかもしれない。上司と直接話をして、もっと肯定的なフィードバックを受けたいかもしれない。あるいは、多忙だった時期の超過勤務を代休に振り替えるなど、すでに認められている報酬をうまく利用することもできる。

 自分の労力に見合う報酬はどれか、現在の職場環境でこれらの報酬をより多く手にする機会があるか、実際に試してみよう。

 4. 共同体

 あなたは、誰と一緒に働きたいだろうか。彼らとの関係は、どのような支えになるか、どのくらい信頼できるだろうか。

 同僚やクライアントは選べない場合も多いが、彼らとの関係の力学を改善することはできる。たとえば、時間を見つけて調子はどうかと声をかけ、相手の話に耳を傾ける。先日のプレゼンテーションをあなたが評価していることを、本人にメールで伝える。難しい話題を、相手に敬意を払って客観的に話し合う方法を考える。そういった簡単なことから始まるのだ。

 燃え尽き症候群は伝染しやすいので、自分のエンゲージメントを高めるためには、グループ全体の士気を高める必要がある。自分にできることはすべてやって、それでも周りが人間関係を改善しない、あるいは改善したくないと思っているなら、そのときは、あなたが仕事を変えようと思うかもしれない。

 5. 公平性

 自分は公平かつ公正な扱いを受けていると思うだろうか。たとえば、あなたの貢献が評価されているか。それとも、ほかの人は褒められているのに、あなたの仕事は注目されないままだろうか。ほかの人は何回も締め切りを延ばしてもらい、追加のリソースにアクセスできるのに、あなたには認められていないだろうか。

 公平性の欠如が自分の燃え尽き症候群を悪化させていると感じるなら、まず、声を上げることだ。自分の偏見に気づいていない人や、こちらが希望を伝えるまで行動を起こさない人もいる。貢献者として名前を挙げてほしい、プレゼンに参加したい、もっと時間や資源が欲しいと、自分で要求しよう。

 それでも相手の反応が不公平だと思ったら、その点を礼儀正しく指摘することもできる。「シカゴのチームは私たちと同じ期日までにプロジェクトを仕上げることになっていましたが、1週間の猶予をもらいました。どうして私たちのチームも同じように認めてもらえないのか、教えてもらえませんか?」

 6. 価値観のミスマッチ

 自分にとって価値が高いことを、会社はそう思っていなければ、懸命に粘り強く働こうというモチベーションは大きく下がるだろう。理想とモチベーションは、個人にも組織にも深く染み込んでいるものだ。

 こうした価値観のミスマッチが燃え尽き症候群に及ぼす影響を考える際は、自分の価値観と組織の価値観をマッチさせることが自分にとってどのくらい重要なことか、慎重に見極める必要がある。

 会社のリーダーの価値観が変わっているかどうかも重要だ。

 あなたの上司は、チームは、組織は、どのように決断を下してリソースに投資しているか。その根底にあるモチベーションを、あなたは受け入れているだろうか。彼らは変化に対して柔軟か。あなたが重視している価値観があって、それがあなたの組織に影響を与えている価値観と異なる場合、価値観がより一致する機会を探すべきかもしれない。

 燃え尽き症候群は、疲労するだけではない。多面的な問題であり、多面的な解決策が必要だ。

 いまの仕事を辞める前に、自分の燃え尽き症候群の本当の理由をじっくり考えて、変化を起こす努力をしてみよう。最善を尽くしてもほとんど変わらなければ、そのときは考える──このまま留まる価値があるのか、それとも次に進む時が来たのか。


HBR.org原文:6 Causes of Burnout, and How to Avoid Them, July 05, 2019.

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エリザベス・グレース・サンダーズ(Elizabeth Grace Saunders)
時間管理のコーチ。時間管理のコーチングとトレーニングを提供する、リアルライフEタイムコーチング・アンド・スピーキングの創設者。著書に、How to Invest Your Time Like MoneyDivine Time Management(以上、未訳)がある。より詳しく知りたい場合はwww.ScheduleMakeover.comを参照。