1.医療機関が妊娠・出産の診療全体に対して、単一の「包括」料金を請求する強力なインセンティブをつくるよう、契約している医療保険会社に強く求める。

 帝王切開は普通分娩よりも高額であるため、包括料金であれば、医療機関が不必要な帝王切開出産を避けるインセンティブを与えると思われる。

 医療保険に対し、参加している病院が科学的根拠に基づく最良の診療に従うよう、義務づけることを要求するのもよい。カリフォルニア・マターナル・クオリティ・ケア・コラボレイティブ(CMQCC)アライアンス・フォー・イノベーション・オン・マターナル・ヘルス・プログラムが推奨する診療法などである。

 これには、米国最大の医療施設認定機関であるジョイント・コミッション39週未満と定義している、早期の選択的誘発分娩の禁止も含まれる。こうした努力を通してカリフォルニアでは、妊産婦死亡率が10年足らずのうちに半分以下に低下した。

 2.妊婦を高価値の医療機関(すなわち、最高の成果を比較的安い診療費で提供する医療機関)と結びつける保険給付設計を実施する。

 このような設計には、「センター・オブ・エクセレンス」(COE)プログラムが含まれるべきだ。COEでは、医療費の負担を低減または免除させながら、母親となる女性が高価値の産科を選択するのを奨励する。

 さらに、低リスク妊娠の女性に対しては、独立した助産院の利用を検討するよう促すとよい。助産院は優れた安全性と有効性を示しており、しかも不必要な介入が発生する可能性は病院よりも低い。

 3.満期出産の重要性と、選択的誘発分娩や不必要な帝王切開出産により健康への有害な結果が生じる可能性について、従業員に教育する。

 4. 医療保険が認定助産師と契約を結び、全額を補償対象とし、アクセスを提供するよう強く求める。

 認定助産師は質の高いケア比較的低費用で提供する、というエビデンスが示されている。また医療保険は、ドゥーラ(doula)と呼ばれる出産サポートの専門家(医療従事者ではない)へのアクセスも提供できる。

 妊産婦死亡率の高さは憂慮すべき現実である。雇用主は、自社の医療保険の購買力を行使することにより、それに対して何らかの手を打つことができる。より良好な成果をもたらすよう促し、それによって、自社が負担する費用、および自社の従業員とその家族が負担する費用を低減することもできる。


HBR.org原文:The Rising U.S. Maternal Mortality Rate Demands Action from Employers, June 28, 2019.

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