マイクロムーブにはさまざまな側面があるが、筆者の一人、ケリーの研究によれば、たいていの場合は、人を結びつけるか引き離すかのどちらか一方だ。インパクトが大きいものもあれば、それほどでないものもある。たとえば、チームミーティングでの失礼なコメントはおそらく、電話会議を欠席するよりも大きなインパクトがあるだろう。

 だが、いかなるマイクロムーブも、同僚との関係を変える可能性を秘めている。我々の研究で、これまでに確認された典型的なシナリオをいくつか紹介しよう。

・関係の良くない同僚がいる。あなたは、その同僚の父親が最近他界したことを知った。そこで、同僚のデスクに立ち寄り、哀悼の意を伝えることにする。あなたが口火を切った会話を、同僚は和解の申し出と受け止める。その週の後半、プロジェクトであなたを助けたいと、同僚から申し出がある。

・ランチタイムに、あなたと2~3人の同僚は一緒にランチに出かけることにする。唯一残されたチームメートに「一緒にどう?」と声をかけようか思案するが、あなた自身が誘われた立場なので、結局声はかけない。オフィスに戻ると、チームメートが不機嫌な様子であることに気づく。その日の退社時、チームメートは、あなたが翌朝一番に送る必要のあるレポートを「チェックしなかった」と、あなたに告げる。

・朝、あなたはウェブエックス(WebEx)を使って、クライアントとオンライン会議をしている。その最中に、あなたは何気なくメールやショートメッセージに返信もしていて、クライアントの話には半分しか注意を向けていない。その日遅くなってから、上司とのメッセージのやり取りから、クライアントが後で電話をかけてきて、あなたの態度に苛立ちを示していたことを知らされる。

 上記はほんの数例だが、いかにマイクロムーブが関係を変えうるかを示している。その可能性と結果は数え切れない。

 しかも関係はすべて異なるので、マイクロムーブへの反応も万人一律ではない。たとえば、ケリーとダナ・ハラリとジェニファー・カーソン・マールの研究で、弱点を同僚に打ち明ける効果を調べたところ、弱みを漏らす人のほうがステータスが高い場合は関係が損なわれるが、打ち明ける側が同僚と同等である場合はそうでないことが判明した。

 それでは、どのようなマイクロムーブが役立つかを見つけ出すには、どうすればよいか。我々が考案した5つの指針を以下に紹介しよう。