とはいえ、今日の労働市場において、新卒者は自信に満ち満ちている。実のところ、非常に自信にあふれているため、給与の高い仕事や、おそらくはリスクが低めの仕事よりも、創造的な情熱や社会奉仕をますます追求する傾向にある。

 求人情報サイトのインディードでは、新卒者は芸術やエンターテイメント、社会奉仕の分野の仕事の情報をクリックする傾向が、2~3年前に比べて高まっている。逆に、定量データ重視の金融職(残念なことに、経済専門家の仕事も含む)の募集をクリックする傾向は、以前よりも低い。

 彼らの自信は、あながち見当外れではない。労働市場の未来は、新卒者にとって明るいはずだ。最近の政府の予測によれば、今後10年間で、大学または大学院の学位を必要とする仕事は、高卒の資格があればよい仕事より2倍の速さで増加するという。

 さらに、もしロボットやアルゴリズムが仕事を減らすことになれば、大学教育を受けている働き手のほうがリスクにさらされる可能性が低いだろう。自動化の影響をより被りやすい「ルーティン的な」職種で働いている高卒者は62%であるのに対し、学士号取得者は28%、大学院の学位を有する人では11%のみである。

 今日の新卒者は、これらすべてを鑑みれば、明るい展望を持って労働市場に参入できる。

 たしかに新卒者にとって、失業率と能力以下の職種への就労率は、近年の他の好況時ほど低くはなく、収入もほとんど変わっていない。とはいえ、堅調な労働市場のおかげで、景気回復初期に卒業した人よりも安定した雇用と収入の道が開かれるはずだ。そして大学の学位は、景気の悪化と仕事の不確かな未来のどちらに対しても、ある程度の備えとなることだろう。


HBR.org原文:What the Job Market Looks Like for Today’s College Graduates, May 09, 2019. 

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ジェッド・コルコ(Jed Kolko)    
世界最大のオンライン求人サイト、インディードのチーフ・エコノミスト。