充電インフラの最適マネジメントが成長のカギを握る

――今後普及が見込まれる電気自動車、自動運転車もライドシェアサービスのプレイヤーの成長を加速させる可能性がありそうです。

北村 そうですね。自動運転には電気自動車であることが適しているため、電気自動車も自動運転車も1日で数百キロ走るライドシェアというビジネスにおいて経済的なメリットがあると考えられます。ただし、それには充電インフラの整備が不可欠です。ソフトバンクはADSLモデムを街頭で無料配布してYahoo!BBをトップに押し上げました。同じような思想で、誰よりも早く且つ戦略的に充電スタンドを各地に配備したらどうなるでしょうか。

 そうしたインフラ整備を進めたうえで、世界で展開するライドシェアの車両を電気自動車に切り替えれば、普及は一気に進むでしょう。主要都市の充電スタンドの満空状況や需要予測を含めて、充電インフラの利用最適化をコントロールすることも可能になります。そうなると、そのインフラを活用したライドシェア以外の車両(個人/法人)、行政、電力会社といったプレイヤーからも対価を得ることが可能となるでしょう。

 さらに、車両のリース料や保険料などといった周辺サービスもグローバルでソフトバンクが取り纏ることで、更なる収益や持続的な成長が期待できると考えます。もちろん、自動運転化され、ドライバーの人件費負担がなくなれば、利益が大きく増えることは言うまでもありません。

――ライドシェアサービスに代表されるように、CASEによって生まれる新たな事業機会は大きなビジネスチャンスになりますね。

北村 「Mobility3.0」に向け、世界各国、地域(リージョン)で体制づくりが進んでいます。自動車業界はもちろん、それを取り巻くサービスや技術領域で様々なビジネスチャンスが生まれてくるでしょう。すでに自動車業界で事業を行っているかどうかにかかわらず、多くの日本企業にとっても飛躍のチャンスとなります。ただ、グローバルでは多くの企業が既に取り組みを加速させています。だからこそ、ここ数年にどんなアクションを起こせるか、それが将来を大きく左右するといっても過言ではないでしょう。

(取材・文/河合起季 撮影/西出裕一)

参考サイト:Accenture mobility 3.0公式ページ