テクノロジーがビジネスモデルを変える「CASE」が進展

――この背景には、2016年に独ダイムラーのディーター・ツェッチェCEOが提唱した「CASE」の進展があります。

北村 はい。CASEとは、「Connected:コネクテッド化」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:シェア/サービス化」「Electronics/Electric:電動化」の4つの頭文字をとったものです。CAEの3つがテクノロジーで、Sはビジネスモデル。つまり、3つの技術の進化がビジネスモデルをサービス中心に変えていくという図式です。(図2)

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出所:アクセンチュア

 それぞれの技術について説明すると、まず「Connected」に関しては、2030年代には新車で販売される全車両がインターネットと常時接続されるようになるでしょう。モビリティ機能の一部は車両からクラウドやエッジに移行され、高度化されます。クルマと顧客がつながり、他のデータとも連携することで、バリューチェーン収益の取り込みも容易になります。

「Autonomous」では、2020年過ぎには完全自動運転車が市場に投入され、2020年代後半には普及が加速する見通しです。自動運転車が普及すると移動時間・空間を活用した新たなモビリティサービスが生まれます。

「Electronics/Electric」については、電動化によって、構成部品の汎用化が進行し、ソフトウェアによる制御が加速します。汎用デバイスやソフトウェアにおいてスケールを拡大したプレイヤーの競争力が高まるでしょう。大量に普及するEVバッテリーを活用した新たなエネルギービジネスのエコシステムも登場します。

 ビジネスモデルの「Shared/Service」では、所有から利用へとシフトが進むことによって、ユーザーとオーナーをつなぐプラットフォーマーのサービス機能・マッチング機能の重要性が増します。利用シーンごとに最適なクルマが使われるようになり、個人所有時代のマルチユース車両から、利用シーンに応じて多様化したシングルユース車両へと需要が変化するでしょう。車両、スペース、エネルギーなど多方面でシェアが進み、アセット効率が向上。こうして収益を生むようになるクルマに対し、その特性に応じた新たなファイナンスや保険も登場すると考えられます。