コントロールタワー機能の構成要素

 コントロールタワー機能は、「可視化レイヤー」「分析レイヤー」「対応レイヤー」の3つから構成される。可視化レイヤーでは自社の供給網を自社・他社の垣根を越えてEnd to Endでデータ収集し、及びその前提となるデータフォーマットの標準化を担保する機能を持つ。分析レイヤーは収集されたデータからインサイトを抽出し今後起こり得る事業シナリオを分析する。対応レイヤーはAI群により自動判断してよいポイントと人間が判断すべきポイントを選り分けて対応に繋げる。(図2)

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出所:アクセンチュア

コントロールタワー機能の構築に向けて

可視化についての要諦:
可視化の実現にはサプライチェーンの構造レベルの議論をせよ

 様々なテクノロジーの選択肢が出現した今日においてもなお、実は多くの企業の課題として解消されていないのが、データによる完全な供給網可視化の実現である。一方で属人をなるべく排除したデータドリブンの判断を行うためには、これまで以上にますます前線情報の精度の高さが求められるのだから、サプライチェーンの現場における可視化に関する悩む企業は今もって多い。

 長年社内でトライを重ねてきても課題解消に至らない場合は、サプライチェーンの構造レベルから思い切った見直しをすべきである。典型的な例を一つ挙げると、B2Bの代理店構造がある業界では、最終顧客は誰なのか、この数量が申請されている納期までに本当に必要なのか、どのくらいの需要確度なのか、このような情報が獲れているケースは少ない。複数のメーカーの製品を扱う代理店において特定のメーカーのために販売・在庫データを正確に取得する努力をする動機は働かないからだ。このような構造である限り何度も提唱されては挫折してきた泥臭いアプローチのリトライはもとより、IoTを始めとするテクノロジーに過度な期待を抱いていても解消しない可能性が高い。この際思い切ってサプライチェーンの構造レベルの議論をすることが肝要である。例に挙げたB2Bの代理店構造であれば、代理店在庫から自社在庫化へシフトする、または自社営業倉庫を前線に新設し代理店在庫と出荷を物理的に見える状態に置く、といった構造を変える施策にまで踏み切った企業では、可視化の成功レベルは遥かに高い。