何ができるか

 散らかさないためには、モノが積み上がっていくままにしておくのではなく、定期的にワークスペースを整頓することが、絶対確実な方法だ。モノが散らかりすぎないようにしておけば、大事な仕事を先延ばしする言い訳として整理整頓を始めたりしなくなる。在宅勤務の場合は、ワークスペースを1ヵ所に定めて維持すれば、仕事用品と家庭用品の境界を敷くのに役立つ。

 チームや組織のレベルでは、「春の大掃除」をして皆でピザを食べる日を定期的に設ければ、社会的交流を生み出すことができるうえ、ほとんどの人(片づけにときめく近藤麻理恵を除く)にとっては、楽しくないタスクをサポートできる。

 また、共有ワークスペースの整理整頓を規定するクリーン・デスク方針の制定を検討するのも手だ。社内ITチームと連携してオンライン文書の管理ツールを提供することで、従業員をサポートし、保存すべきものと破棄できるものを明確にしよう。これを実行するに当たっては、実施上とセキュリティ上、それぞれの配慮事項のバランスを取るべきであり、また従業員が主体性と自律性を必要としていることに留意したい。

 最後に、散らかった状態が必ずしも悪いことばかりでないことも、心に留めておこう。

 散らかったデスクが創造性を高める可能性があることを示した研究が1件ある。その研究結果によれば、整頓されて秩序立った環境に身を置くと、期待に沿い、安全第一でいく傾向が強くなる。他方、散らかった環境にいると、規範にとらわれず、物事を新しい視点で見ようとする傾向が強くなる。したがって、隅々までピカピカのデスクは創造性の欠如を示すかもしれない。

 とはいえ、著しく散らかったデスクは、当人の労働倫理と人格について、好ましくないメッセージを送る可能性がある。進行中のプロジェクトの必要資料を手近に置くのは結構だが、書類の山を築く誘惑には抵抗しよう。


HBR.ORG原文:The Case for Finally Cleaning Your Desk, March 25, 2019.

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リビー・サンダー(Libby Sander)
ボンド大学ビジネス・スクール助教授。組織行動論を担当。フューチャー・オブ・ワーク・プロジェクトのディレクターでもある。物理的な作業環境が認知や感情、パフォーマンスに与える影響を研究している。