デジタル・ターンアラウンド・マネジャーに
必要な素養とは

――デジタル・ターンアラウンドを支援する体制について教えてください。

上野 次の景気後退、業績悪化への対応では、これまでの経験だけでは役に立たないでしょう。ほとんどの企業はデジタル・ターンアラウンドの経験がないからです。

 そのため、アクセンチェアでは「Digital Turnaround Program」を提供しています。具体的には、「Interim Management Office」として経営トップ直轄の暫定経営組織を作り、暫定経営陣を派遣して支援することになります。

 デジタル・ターンアラウンド・マネジャーの下に、デジタル・トランスフォーメーション、デジタルSCM、ハイパーBPOなどの専門コンサルタントを配置し、迅速に計画を立案。キャッシュフローの悪化を食い止めるためにも、6カ月くらいで素早く実行する必要があります。(図1)

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出典:アクセンチュア

――デジタル・ターンアラウンド・マネジャーにはどのような人材が求められますか。

長谷部 財務のエキスパートであることはもちろんですが、加えてデジタルの専門家でなければいけない。その企業にとって意味のあるデジタル化かどうかを適切に判断できること、最新のデジタル技術に対して目利き力があるかどうかも非常に重要です。

 業績(PL)にインパクトのある対策を着実に遂行する実行力も求められます。これまで改革の壁になっていたレガシーを打ち破るドライバーになることが必要。それができないと、プランが良くても何も進みません。

 いずれにしても、受け身の姿勢でリセッションという嵐が過ぎ去るのをじっと待つのではなく、これまでお話したようなデジタル・ターンアラウンド・マネジャーの投入によって、自らパラダイムの転換を図ることが成長を続けるための重要なポイントになるでしょう。

(取材・文/河合起季 撮影/西出裕一)