どんな企業も設立当初は、数人の想いから始まったベンチャー企業である。そこから1人、また1人と人数が増えていく中で事業を拡大し、社会への影響力を増していく。ただ特に急成長企業の場合、その大きすぎる変化にリーダーが対応できないことがある。チームの規模が小さかった時代と同じスタイルを踏襲した結果、各所で問題が発生するのはよくあるケースだ。本記事では、フェイスブックのバイスプレジデントである筆者が、規模の拡大に応じて生じる5つの変化とその対処法を示す。


 フェイスブックのデザインチームが、まだ全員で一つの会議テーブルを囲んでいた時代、新しいデザイナーが仲間に加わることは、私たちにとって一大イベントだった。

 私たちは喜んで、ふだんどんな風に仕事をしているかを教えた。どこにデザインファイルを保管しているか、どのツールをダウンロードするといいか、どの会議に出席すべきか。私たちと一緒にもっと素晴らしい仕事をしようと、新しく参加してくれたことがうれしかった。ピザが2枚もあれば、全員に十分行き渡った時代である。

 数ヵ月すると、また1人が加わった。そしてまた1人、もう1人。そのつど、新人はチームに紹介され、チームは同じように仕事の説明をした。

 すべて順調に進んでいるように見えた。ところがある日、青天の霹靂のように、それまでのやり方がもはや通用しないことを思い知らされた。

 ターニングポイントは、デザイン批評の会議でいつもの部屋に入って、席が足りないのに気づいたときだった。椅子は見つけられたものの、デザインを発表したい人は10人いたのに、5〜6人分の時間しかとれなかった。

 そうこうするうちに、私自身の日常も立て込んできた。想定外の問題が増え、伝えるべきことが増え、より多くの決定の経過を把握しなければならなくなった。よりよいプロセスを考え出したとたん、また数人の人が増え、ふたたび歯車の動きが鈍くなる、という繰り返しだった。実効性を維持する唯一の方法は、常に変化し、適応し続けることだった。

 転機を迎えるたびに、まるで違う仕事をしているような感覚がした。核となるマネジメントの原理は変わらないが、日々の仕事は著しく変化した。

 フェイスブックで働き始めた当初と現在で私の仕事がどう変わったか、とよく尋ねられる。振り返ってみると、小さなチームと大きなチームの管理では、5つの点で大きな違いがあるようだ。