私たちの研究では、米国内のさまざまな業界で働く300人以上の従業員を参加者として、オンラインで募集した。

 そしてジェンダーとユーモアの影響を浮き彫りにするために、2つの制御実験を行った。実験では、小売店の「店長」役の俳優2名(男女各1名)が、エリアマネジャー役の俳優2名(男女各1名)の前で、4半期の業績を報告する。プレゼンテーションは会議室で行われ、発表者の全身と地区マネジャーの後頭部が映るように録画した。

 店長役1人につき、同じプレゼンテーションの2つのバージョンを録画した。片方のバージョンでは、5つのユーモアのある表現がプレゼンテーションに散りばめられている。

 たとえば、店長はプレゼンテーションの冒頭で、短く自虐的なジョークを入れた。「夕べ、夫/妻が、今日のプレゼンテーションについて、いいアドバイスをくれましてね。何でもいいから魅力的に、ウィットに富んでいるように、知的になんて見せようとしないこと。ありのままの姿を見てもらいなさい!とね」。もう片方のバージョンはユーモアを省いたものだ。また、俳優の身体的魅力によって受け止め方に差が出ないように、すべての実験を統計的に制御した。

 最初の実験では、参加者はまず、店長の職歴と履歴書(どの条件下でも同一)を読み、その後、ユーモアのある2つのプレゼンテーションの動画の1つ(無作為に割り当てられる)を見て、店長のユーモアが混乱を招くか機能的かを評価した。

 女性のユーモアは男性よりも機能的ではなく混乱させると評価されており、ジェンダーのステレオタイプの影響についての私たちの予想と一致した。この結果は、参加者の性別にかかわらず一貫していた。女性も男性も、女性のユーモアをより否定的に評価したのである。

 私たちの最初の実験は、男性と女性ではユーモアが異なる解釈をされることを実証した。2番目の実験では、4本の動画(男性と女性、ユーモアがあるものとないもの)をすべて使用し、ユーモアを入れた場合と入れなかった場合を比較した。ここでも参加者は店長の職歴と履歴書を読み、無作為に割り当てられた1本の動画を見て、店長を評価した。

 男性の店長がプレゼンテーションにユーモアを入れると、ユーモアがない場合に比べて、認知される地位、仕事の能力、リーダーシップの素質の評価が高くなった。ところが、女性の店長では逆の結果になった。ユーモアを入れると、認知される地位、仕事の能力、リーダーシップの素質の評価が下がったのである。

 記入されたコメントも、この差異を反映していた。ある参加者は、ユーモアを入れた女性は「ジョークの入れ方がまずい」と述べ、別の参加者は「つまらないジョークで、商才のなさをごまかそうとしている」と述べた。

 対照的に、ユーモアのある男性のプレゼンテーションを見た参加者は、「ウィットがあるし、堅苦しく見えないようにユーモアを好んで使っている」と述べ、別の参加者は「プレゼンテーションが単調にならないように、ちょっとしたユーモアで味付けをしている」と述べた。

 私たちの研究は、すべての条件が同じならば、仕事でのユーモアは男性と女性では異なる解釈をされることを示唆している。プレゼンテーションや同様のビジネスシーンで「ユーモアを交えよう」というアドバイスに従うと、女性はダメージを受ける可能性が高い。ユーモアをプレゼンテーションで使うことを勧める作家たちのアドバイスとは対照的である。