同僚とのランチから冠婚葬祭への出席まで、友人・知人から何かしらの誘いを受ける機会はあるだろう。声をかけてくれたこと自体は嬉しい反面、ただでさえ貴重な時間やお金を投じることには躊躇する。そんな経験はないだろうか。そうした誘いを断る口実に「時間がない」と伝えるシーンはよく見られるが、筆者の研究によると、それは誘った側の親近感を著しく低下させるという事実が示された。


 昨春、私は友人からセーブ・ザ・デート(正式な招待状を送る前に、式の日程を通知するプレ招待状)を受け取った。パリで挙げる結婚式に招待されたのだ。

 友人の幸せを喜んだ一方で、2つの大きな心配が湧き上がった。パリへの旅行は、多額の出費が必要になるうえ、限られた休暇のほとんどをつぎ込むことになるということである。

 結婚式には出席しないことに決めた。だが、それを友人にどのように打ち明ければよいか悩んだ。

 ただ「出席できない」とだけ伝えようか。それとも、「パリまで行くだけの時間もお金もない」と打ち明けようか。友人の気持ちを傷つけたり、彼女との友情を大切に思っていないという印象を与えたりしないためには、何が最善策なのだろうか。

 友人や同僚から招待される社交イベントには通常、時間か金、またはその両方を投資する必要がある。したがって、こうした招待に応じられない場合は、時間と金は格好の口実となる。だが、相手がその言い訳をどのように受け止めるか、それによって相手との関係がどのような影響を受けるかについて、研究からわかっていることは驚くほど少ない。

 そこで、これらの影響を調査すべく、私は同僚のアシュレイ・ウィランズ、マイケル・ノートン、そしてアン・ウィルソンと共同で研究に着手した。具体的には、ツイッターの会話データを分析し、3つの室内実験を実施した。その結果、「十分な時間がない」という口実は関係を傷つけるおそれがあるのに対し、「十分なお金がない」という口実は、関係を深めるのに役立つ可能性があることが判明した。