ヤフーのSEI検査とその結果

 今回、ヤフー110名にも同じSEI検査を実施しており、中村氏からその集計結果が報告された。

「ヤフー110人の調査でも、EQスコアと成功要因の因子をスコア化したものにきれいな相関関係が見えた。EQスコアと成功要因スコアは、達成意欲と紐付けて相関関係にあることが、一般的な理論でも、ヤフーの社員においても確認できた」と語り、先の8つのコンピテンシーがスコア化されたレーダーチャートを日本人の平均と比較した図表4を紹介する。

出所:ヤフージャパン、シックスセカンズジャパン

 これを見ると日本平均とヤフー平均は近似しているが、マインドフルネスの週3回以上の実践者は、8個のコンピテンシーすべてで上回っていることがわかる。

「110名の平均スコアは94で、実践者の平均スコアは100。これは図表2のデータで中位に当たる。要するに、週3回以上マインドフルネスを実践すると、少なくとも世界標準レベルにはなれるということだ」と語った。

 中村氏はその要因について、クロス集計したデータ示しながら「週3回以上やっている人と週3回未満の人と2グループに大きく分けて集計してみた。EQスコアを5段階にレベル分けすると、EIを満たしていると言えるのはレベル3以上だが、週3回以上の人はそれが7割以上と高かった」と報告。

 さらに、実践頻度と自分の感情を知る「青」のコンピテンシーをクロス集計し、週3回以上の実践者は「自己パターンの認識」が特に高いというデータを示した上で、「マインドフルネスとEIは密接な関係があり、週3回以上の実践で全体的にEI(EQ)のスコアが高まる。特に自己パターンの認識に差が出る」ことを2つ目の仮説として挙げた。

 続いて「マインドフルネスの実践を通じてEQが高まると、組織や人はどう変わるか」という質問に対する回答者のコメントが対個人と対組織に分けて紹介された。

 対個人では「不要な感情に振り回される時間が軽減できる」「自分の心理的安全性を自分で生み出せる」「より本質的な課題が見えるようになれる」など。

 対組織では「組織内での感情での対立がなくなる」「穏やかで思慮深い組織になれる」「きちんと言いたいことを言うけれど傷つかない組織、なんでも意見できる状況になる」などのコメントがヤフー社員から寄せられていた。

 荻野氏はそれを見て「心理的安全性を自分で生み出せることは効果的なチームを生み出す大事な要素と考えられるが、それは結局、一人ひとりの感情の認知がベースになる。感情認知や感情マネジメントができない人が多い組織は、心理的安全性を得ることが難しいだろう」と述べ、マインドフルネスの実践者を増やすことが組織の心理的安全性を高めることにつながるという仮説を示した。