日々新たなテクノロジーが登場し、あらゆる産業に劇的な変革をもたらす時代において、次の時代に適用するために、企業はイノベーションの創出に積極的に着手していく必要がある。日本の大企業がイノベーションを興す手段の一つとしてスタートアップとの協業があるが、無数のスタートアップのなかからビジネスパートナーを探し出すことは容易ではない。ここでは、ヘルスケア業界が直面するさまざまな社会課題の解決を目的に、アクセンチュアが2016年からスタートしたグローバルプログラム「アクセンチュア ヘルステック イノベーション チャレンジ」(以下、ヘルステックチャレンジ)と、そこで取り入れているコンテストの仕組みについて紹介する。

ディスカッションを通じて審査される新しいスタイルのピッチコンテスト

 2018年11月1日、東京・麻布のアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京に、アジア各地からヘルスケア領域のスタートアップ企業9社(日本からは3社)、そして審査員として、ヘルスケア業界をリードする国内外の15社から、役員クラスや事業責任者が集結。開催されたのは、「第3回 アクセンチュア ヘルステック イノベーション チャレンジ」のアジア予選。2019年1月7日にサンフランシスコで行われる決勝ラウンドへの出場権をかけて、全世界で予選ラウンドが行われるが、今回初めて東京でのアジア予選開催となった。

 予選ラウンドでは、書類審査を通過したスタートアップ約10社がプレゼンを行い、審査員投票によって決勝ラウンド進出企業を選出する仕組みだ。今回3回目を迎えたヘルステックチャレンジは、グローバル全体で1000社以上、アジア・太平洋地域からは300を超えるスタートアップ企業からの応募があった。 開会式には、内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)である平井卓也大臣からビデオメッセージが寄せられ、本イベントに対する期待度の高さや、イベントの成功を祈願するコメントが披露された。

 このイベントでは、審査員として参加している企業とスタートアップ間の理解を深めるため、一般的なピッチコンテストとは大きく異なる点がある。それは、従来のイベントに多く見られる、「審査員がスタートアップのプレゼンを聞き続ける」形式ではなく、会場内に設置された各スタートアップのデモブースを審査員グループが巡回し、デモを見て説明を聞き、質疑応答するというスタイルだ。これにより、スタートアップ企業と、審査員として参加している企業間でのインタラクティブなディスカッションが可能となる。

 参加スタートアップ企業であるNuriBio社(韓国)のKay Kim氏は、「ユニークな形式でとても刺激的です。対話が前提なので、双方向的なコミュニケーションができますし、ビジネスモデルについて突っ込んだ会話がなされます。示唆に富んだ意見を、審査員であるヘルスケア企業のCxOから直接いただける、またとない機会になりました」と感想を述べた。

 ヘルステックチャレンジでは、審査員も業界を代表する企業のキーマンばかり。前提となる”業界の課題や解決すべき社会問題”について共通認識ができているので、深い理解に基づく質疑応答が数多く繰り広げられたのも特徴と言える。