新たな一歩を踏み出すための7つの問い

 BPOサービスは「海外労働力のリモート活用」であり、国・地域の壁を越えて世界中の労働力を分母として必要リソースを集めることが可能となります。企業が内製のみで必要リソースを集める場合と比べて、内部リソースをリスキルで活かし切りながら足らざるリソースをBPOを活用して補完するこのモデルは、圧倒的に分母が異なるため、結果としてリソース調達の柔軟性も圧倒的に高くなります。実際アクセンチュアではこのデジタルビジネスの急拡大を支える目的でのBPOサービス提供が近年急速に増えており、BPOサービスの持つ本来的な拡縮柔軟性の価値が、デジタル時代においてはさらに活きてくることを実感しています。

 国家の成長には労働力の拡大(ヘッドカウント拡大あるいは生産性向上)が必須ですが、先般の入管法改正案に関する議論・反応を見ても、移民政策に頼った労働力確保は、日本の文化的・社会的抵抗感から諸外国に比べ限定的なものに留まるか、あるいは多くの時間を要するのではないかと感じています。一方、世界のデジタルエコノミーへのシフトは否応なく進み、デジタル変革は待ったなしの状況にあります。そんななかで、筆者らの同僚で戦略コンサルタントとして広範な企業改革の経験を有するアクセンチュアのシニア・マネジング・ディレクターの牧岡宏は「H-BPOは、BPOを業務コスト削減手段としてではなく、デジタル変革実現手段としてとらえ直したBPOの再発明。デジタル変革を後押しするきわめて有効なソリューションと確信している」と述べています。

 デジタル変革を数ある社内プロジェクトの一つに留めず、実現に向けた構造的アプローチに本気で取り組もうと考えるマネジメントの方々にはぜひ、以下の7つの問いについて考えてみることをお勧めします。

〔H-BPOサービス導入に先立つ7つの問い〕
1. 自社の人財をフルに活用できているか?
2. 人財のフル活用に向けて、どれくらいの時間とエネルギーをかけているか?
3. 現状のすべての業務プロセスを効率追求業務、成果追求業務に分類できているか?
4. デジタル変革により目指す将来の姿を前提とした時に、必要リソースと現状リソースとの量的・質的ギャップは明確になっているか?
5. リソースの量的・質的ギャップを埋めるための策は明確になっているか?
6. リスキルを前提とした研修プログラムとそれに必要な予算は用意されているか?
7. 一連のBPOサービス、リスキルプログラムへの投資とその成果にコミットできるか?

 

植野 蘭子(うえの・らんこ)(写真左)
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 人材・組織管理 マネジング・ディレクター
東京外国語大学外国語学部卒業後、自動車メーカーに入社し、人事部にて、海外人材採用・育成やグローバル幹部育成等、グローバル事業展開を人事・組織面から支える業務に従事。アクセンチュアに中途入社し、以降、幅広い業界において、グローバル化・デジタル化に向けた企業変革支援や人材・組織戦略、M&A支援などの戦略コンサルティングに従事。
進藤 千晶(しんどう・ちあき)(写真中)
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 コンサルタント
大学院修了後、証券会社に入社し、リサーチ部門にて資産運用の調査・コンサルティング業務に従事。アクセンチュアに中途入社し、金融業界・通信業界の顧客を中心に、IT戦略、オペレーション戦略から、営業戦略、新規事業戦略まで幅広い分野でのコンサルティング業務に従事。
山形 昌裕(やまがた・まさひろ)(写真右)
アクセンチュア 製造・流通本部 マネジング・ディレクター

東京大学工学部卒業後、総合商社を経て2003年にアクセンチュアに参画。15年以上にわたり、流通小売業界を中心にビジネス改革を推進。特にクライアント企業のビジネス構造・組織構造を変えるトランスフォーメーションプロジェクトの実績多数。