●現在地/目的地を決定する

 グーグル・マップに道案内をしてもらいたければ、アプリに2つの情報を入力する必要がある。現在地と目的地だ。それぞれの位置をより正確に入力すると、可能な限り最速のルートを使って、行きたい場所に到着する可能性が高まる。

 成長プロセスについても、まさに同じことがいえる。すなわち、現在地と望ましい行先を明確に特定して、最速のルートをたどるべきだ。

 ここで多くの人にとって問題となるのは、現在地と目的地について、幻想を抱く傾向があることだ。自分は、客観的に見た現在地よりもはるかに進んだ地点から出発すると思い込み、まだ何百マイルも手前にいるにもかかわらず、目的地に到着したと思い込んでいることは珍しくない。

 私の同僚ジム・シャンリーが「現在地/目的地」と称するフレームワークを使えば、より正確な評価ができるようになる。「現在地/目的地」は2つの短いステートメントだ。1つはあなたの現状について、もう1つは次の大きな(最終ではない)目標についての記述である。

 以下に、「現在地/目的地」のステートメントの好例を挙げる。

現在地:技術的な専門知識を使って付加価値を提供し、他者の指示に入念に従う、個人としての貢献者。
目的地:明確な戦略を立て、小さなチームを率いて結果を出す、集団のリーダー。

現在地:知的能力が相対的に低いメンバーには素っ気なく、よそよそしく見えかねないビジネス・ストラテジスト。
目的地:個人的なつながりから担当地域をまとめ、鼓舞し、人に心からの配慮を示すゼネラル・マネジャー。

 上記のステートメントを読むと、その率直さに驚くかもしれない。これらの「現在地/目的地」ステートメントは、成功したエグゼクティブ、つまり自身のニーズを明白にすることで、目覚ましい進歩を遂げたリーダーたちが記述した実例だ。2人ともいまはCEOを務めており、1人は年商100億ドルの小売チェーン、もう1人は特殊眼鏡レンズ会社のトップだ。

 現在地/目的地を正確に把握するために必要なのは、まず自分のエゴをいったん横に置いておくことだ。そして、あなたの現状と目標について、信頼できる上司や同僚に非常に率直な意見を求めるといい。彼らに「現在地/目的地」の概念を紹介し、私が先に挙げた「現在地/目的地」の例を送信しよう。そのうえで、あなたの「現在地/目的地」について考えてほしいと依頼するのである。遠慮のない意見によって、あなたの成長が促されるので、「とにかく率直に考えてほしい」と伝えよう。

 こうして得たインプットを活用して、「現在地/目的地」の最終版を作成する。

 もらった意見のうち、どれが最も率直であるように思えて、あなたを最も不快な気持ちにさせるか。達成することが有意義なチャレンジになると思えるほど、「目的地」は十分遠く先にあるか。誰の意見を最も信頼するか。「現在地/目的地」が明白になれば、成長のスピードを加速させることに集中できる。