「引き算」から「足し算」への移行

 概して、前半2つの実験は管理と排除に基づいたものだった。しかし、時には制約と自制心に集中する代わりに、実はもっとやりたいことに集中したほうが優れた戦略になることもある。たとえば、もっと読書をしたい、テクノロジーを使わず家族と過ごす時間がもっとほしい、考える時間がもっとほしいという具合に。

 ダイエットがうまくいかない理由の1つは、たいていの人々が、足すものではなく制限するものに意識を注ぐからだ。私の後半の実験は、ソーシャルサイトを使う時間を確保したり、土曜日を屋外で過ごしたりと、足すことの力について気付かせてくれた。

 現在の私はほぼ毎日、午前中はフリーダムでソーシャルサイトとニュースをブロックしている。スマホからフェイスブックとメールを削除し、午後4時~5時の間に手動で再インストールした後に、再び削除するのだ(そう、毎日だ)。定期的に24時間の休憩も設けている。また、レスキュータイムでソーシャルサイトの使用状況を追跡していて、「気晴らし」時間が合計45分に達すると警告が発せられる。

 ソーシャルメディアについて、私たちの多くは使用頻度を減らしたいと思っているものの、そのための大事なパズルのピースを見つけられずにいる。切実に欲しているものがあり、ソーシャルメディアが簡単な答えだと思っている。

 私は今回の実験のおかげで、ソーシャルサイトをめぐる私の渇望の根底にあるものは、友達との深いつながり、新しいアイデアや情報の入手、あるいは忙しい1日の終わりにのんびりリラックスする時間なのだと気づいた。これらの各要素は、ソーシャルメディア以外で、より効果的に満たすことができる。

 多くのツールと同じように、これはイエスかノーか、善か悪かという一元論で語れる問題ではない。私は、特にアップルの各デバイスに使用状況を確認・管理する「スクリーンタイム」機能が実装されたので、今後も実験を続けるつもりだ。

 アプリが使えるからといって、現行のデフォルトの行動様式が、アプリを使ったり、欲しいものを手に入れたりするのに最適とは限らない。ソーシャルサイトへのアクセスを制限することで、私は行動パターンを変革して、より多くの友人に連絡を取り、より多くの本を読み、大事な仕事に真剣に取り組めるようになった。


HBR.ORG原文:I Ran 4 Experiments to Break My Social Media Addiction. Here’s What Worked., October 18, 2018.

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サラ K. ペック(Sarah K. Peck)
ニューヨークシティを拠点とする著述家であり、スタートアップのアドバイザー。職場と家庭での女性のリーダシップに関するストーリーを伝える、メディア、スタートアップ・プレグナントの創設者兼エグゼクティブ・ディレクター。スタートアップ・プレグナントのポッドキャストの司会も務める。