各企業の取り組みとパネリストの紹介

実利に資する持続的成長を推進

株式会社JVCケンウッド
取締役 専務執行役員
最高財務責任者(CFO)
宮本昌俊氏

 JVCケンウッドは、2015年に中長期経営計画を発表。昨年、中間報告と見直しを行い、2018年1月より、サステナビリティに対する取り組みを追加した。実利に資する推進活動を目指し、「感動と安心を世界の人々へ」という企業ビジョンの下、事業活動の結果が社会の持続的発展や課題解決にも貢献する形で取り組んでいる。

 まずはSDGsの17の目標のうち、優先項目を8つ、関連項目を5つ選択した。具体的には、音響メーカーとして、ハイレゾリューション音源が病気の治療に応用できないか、武田薬品工業と一緒に研究開発に取り組んでいるほか、DVD製造の技術を使って、血液中のたんぱく質である「エクソソーム」を測定し、がん検診に応用するシステムの開発を国立がん研究センターなどと一緒に進めている。

 すでに我々が持っている技術を新しい領域に応用できるのではないかという発想で、自社でできない部分は他社と積極的に連携していく方針だ。今年4月にはサステナビリティ推進室を設置し、トップマネジメントの関与も明確にした。経営計画と整合する形で、サステナビリティのKPI(重要業績評価指標)も年内中に発表する。

創業以来の事業精神を再整理

住友商事株式会社
取締役 専務執行役員
財務・経理・リスクマネジメント
担当役員CFO
高畑恒一氏

 総合商社として事業分野は多岐にわたり、それぞれ直面する社会的課題が異なることから、企業グループ全体としてどう対応するかは大きな課題だった。

 SDGs以前から、当社には、「常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く社会に貢献するグローバルな企業グループを目指す」という経営理念があり、その原点は、創業以来約400年にわたり受け継がれてきた住友の事業精神のひとつ「自利利他公私一如」にある。これを踏まえ、社会的課題の解決に貢献する姿勢を改めて再整理し、マテリアリティ(重要課題)を開示した。

 「地球環境との共生」「地域と産業の発展への貢献」「快適で心躍る暮らしの基盤づくり」「多様なアクセスの構築」という4つの課題に対し事業を通じて貢献していく。それを支える会社としてのインフラを強化すべく「人材の育成とダイバーシティの推進」「ガバナンスの充実」を掲げた。SDGsの17のゴールを6つにくくり直したとも言える。

 具体例としては、国内では鹿児島県甑島(こしきじま)における電気自動車のリユース蓄電池を用いた再生可能エネルギーの導入や、海外ではミャンマーの携帯電話通信事業などが挙げられる。

CSV活動は事業戦略の一部

ネスレ日本株式会社
取締役 兼 専務執行役員
財務管理本部長
トーマス・ケラー氏

 ネスレは食品・飲料分野では世界最大規模の企業だ。世界に30万人以上の社員と400以上の工場を持ち、189カ国で事業を展開。2000以上のブランドを通じて、1日当たり10億個の商品を提供している。日本では「ネスカフェ」ブランドのコーヒーが有名だろう。

 我々のパーパス(存在意義)は生活の質を高め、さらに健康な未来づくりに貢献すること。CSV(共通価値の創造)については、いち早く事業戦略に組み込んできた。もっとも、社会的課題については、150年前の創業時から向き合ってきたと言っても過言ではない。当時のスイスでは、栄養不足から乳幼児の死亡率が高かった。そこで母乳に代わる乳児用乳製品を開発したのが創業者のアンリ・ネスレだ。

 現在、全世界で注力しているCSVのテーマは、「栄養」「農村開発」「水」の3つだ。

 高齢化が進む日本では、「高齢者の健康」などの課題に向き合って活動を展開している。

 例えば、神戸市とともに「介護予防カフェ」の立ち上げを支援、コーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」を提供。高齢者が集う場をつくり、介護予防や健康増進につなげている。

■お問い合わせ
デロイト トーマツ CFOプログラム
E-mail:cfoprogram@tohmatsu.co.jp
http://www.deloitte.com/jp/cfo

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