耳障りなフィラーを封じる3つのステップ

 爪を噛むことであれ、「you know」を乱発することであれ、習慣を変える第1のステップは、自覚することだ。自分が使っているフィラーを特定するには、最近のスピーチの録画か原稿を見直して、どのフィラーを頻繁に口にしているかを見極めることである。

 いったん自覚すれば、日々の会話でも、自分がそのフィラーを口にするたびに気づくようになるだろう。フィラーを聞いたら、ちょっとした行為をするといい。たとえば、「like」と言っていることに気づくたびに、脚を軽くたたく。あるいは、フィラーの使用状況を家族や親しい友人にチェックしてもらい、フィラーを口にするたびにパンと手をたたくとか、パチンと指を鳴らすなどして注意を喚起してもらうのもよい。

 次に、口癖になっているフィラーがわかったら、沈黙を自分に強いることを始めよう。その訓練として、その日1日にやったことを話す自分の姿を録画してみるといい。一連の出来事を回想する際、フィラーの代わりに、沈黙をする訓練をするのだ。

 最後に、どんなに強調してもしすぎることがないのが、準備の重要性である。

 緊張状態は、フィラーを乱用する最大の原因の1つだ。準備がおろそかであるほど、緊張が増し、それが原因で早口になりすぎ、言葉をとちり、次に話すべきことを忘れる。だからこそ、練習が必須なのだ。平均すると、準備とパフォーマンスの最良の割合はプレゼン1分につき練習が1時間だが、せめて聴衆の前に出る前にスピーチの通し練習を少なくとも3回はするよう、当社コミュニケーション専門家のトレイ・ギン博士は勧めている。

 フィラーは、控えめかつ効果的に用いれば、聴衆にいっそう好意的に受け止められる可能性がある。ひと息つく時間も得られ、重要なポイントも強調できる。そのため、ユーザーの代わりに電話をかけて話せる音声システムGoogle Duplex(グーグル・デュプレックス)は、フィラーを口にする。ただし、緊張あるいは準備不足からフィラーを乱用して耳障りになると、話し手の信頼性を損ねてしまう。

 次回のプレゼン準備時には、最も頻繁に使うフィラーを特定して、その使用を避けるように訓練しよう。そして、次に聴衆の前で考えをまとめるときには、その時空を音声で埋める代わりに、沈黙を活用しよう。


HBR.ORG原文: How to Stop Saying “Um,” “Ah,” and “You Know”, August 01, 2018.

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ノア・ザンダン(Noah Zandan)
データと行動に関するアナリティクスを組み合わせてコミュニケーションの仕方を測定し、強化策をアドバイスする会社、クオンティファイド・コミュニケーションズ(Quantified Communications)のCEO兼共同創業者。同社は世界を舞台に、さまざまな企業や政府機関、高等教育機関、販売チーム、非営利団体のリーダー、そして、何百人ものTED講演者に協力している。