組織の文化はたいてい、組織のリーダーが確立し、標準化し、補強していく。リーダーがとりわけ効力を発揮するのは、自分自身の弱みを見せ、間違いを認めるときだ。

 インクルーシブな文化をつくることがリーダーの責務だとすれば、その中には、高い地位の役職に、より多くの女性を登用することも含まれるはずだ。また、女性が涙もろいのは生物学的に自然なのだから、泣くことに対する姿勢を変えるのもリーダーの仕事になる。

 リーダーは性別を問わず、泣くことをごく日常的な感情表現の一つととらえる訓練を受けるべきだ。トップからのメッセージとして、泣いても信用を失ったり、能力を疑われたりしないと伝えよう。泣く人はむしろ、感情に正直な人であり、同時によりインクルーシブな職場文化の構築にも役立つと見なされるべきなのだ。

 そうであれば、職場で泣きたくなったら、以下の1つを実行しよう。

 堂々と泣く
 あなた自身が泣くことを恥ずかしいと思わなければ、周囲も困ったりしないだろう。ひと呼吸置いてから、こう言おう。「ご覧の通り、私は仕事をとても大事に思っています。そのため、この案件への思い入れも強いのです」

 笑う
 一緒に笑うことほど、自分と周囲の気分をよくするものはない。涙を流しながらも笑顔をつくり、「わかるでしょう、この案件をどれだけ気にかけていたか」と言ってみよう。

 泣きじゃくるような状態になったら、あいさつをして部屋を後にする
 ただし、その場に戻るとき、あるいは、次に同じグループと顔を合わせるときには、みずから話題にして、上記2点に留意して堂々と話そう。

 あなたがリーダーで、部下の誰かが泣きだしたときは、次のような方法を試してほしい。

 泣くことは自律神経の自然なプロセスであることを、堂々と認める
 そうすれば、泣くことは健全かつ当たり前な行為になる。「この案件には、何人もの人が強い思いを抱いていることでしょう。私も泣きたいくらいです!」と言ってみよう。

 自分が職場で泣いたときの例を部下に話す
 弱みを見せてもいいと身をもって示せば、それが信頼感や安心感を高め、これから泣きたくなる誰かに暗黙の許可を与えることになる。この話をするために、誰かが泣くのを待つ必要はない。

 私自身、自分が泣いたときは、部下の共感力を試すチャンスだと考えることにした。そして次のチームミーティングで、少し時間をもらって涙の件を話題にした。「先日ご覧になった通り、私は強い思い入れがあると泣くことがあります。ストレスを感じたとき、人と衝突したとき、それから、喜んだときにも泣きます」と言った。そのうえで、泣いたときに女性と男性がどう見られるか、その違いを話した。

 その後、笑顔を見せると、周囲の人も笑顔になった。「今度私が泣いても、部屋を出る必要はありません。よければ、いっしょに泣いてください」


HBR.ORG原文: Why Is Crying at Work Such a Big Deal? June 19, 2018.

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ジェネーバ・パターソン(Jeneva Patterson)
ベルギー・ブリュッセルを拠点とするセンター・フォー・クリエーティブ・リーダーシップのシニア・ファカルティ・メンバー。