我々の分析では、客観的評価(成績、健康状態の点数、席次など)については、先行研究と同様に性差は認められなかった。しかし、主観的評価では、多くの興味深い発見があった。

 第1に、被評価者に与えられた肯定的な特性評価の数は、男女間で差がなかった。しかし、否定的な特性評価については、女性のほうが有意に多く与えられていたのだ。

 また、男女それぞれに、具体的にどんな特性評価がより頻繁に与えられているかも調査した。これにより、リーダーの評価に性差別的な言葉がどう使われているかを、いっそう理解することができる。

 男性を評価するのに最も一般的に使われる肯定的な言葉は「分析的」で、女性の場合は「思いやりがある」だった。一方、男性の評価で最もよくある否定的な言葉は「傲慢」で、女性の場合は「能力が低い」だった。

 男性と女性を表現する際、これらの言葉(およびその他の言葉)が使われた頻度には(選択可能なその他の肯定的・否定的言葉と比べて)、統計的に有意な性差が見られた。より客観的な基準で見た男女のパフォーマンスは同等であるにもかかわらず、である。

 これはどういうことだろう。「分析的」も「思いやりがある」も、被評価者を肯定的に捉えた言葉である。しかし、組織的な視点から見ると、どちらか一方の特性評価のほうが価値が高い、ということはないだろうか。

 分析的、というのはタスク志向的な言葉であり、個人の論理的思考力、理解力、戦略立案能力を示しており、ビジネスの目的やミッションに資するものだ。

 かたや、思いやりがあるという言葉は人間関係に関するもので、ポジティブな職場環境や文化には貢献するが、目の前にある仕事の達成に対する価値はおそらく低いだろう。採用や昇進、報酬の検討をする際に、どの特性を持ったどの人が優先されるのだろうか。

 同様に、継続して雇用されるのはどちらで、解雇されるのはどちらだろう。傲慢な従業員は、性格に難があって職場環境に悪影響を及ぼすおそれがあるが、それでも課題や仕事を達成できるかもしれない。反対に、能力が低い社員は明らかにふさわしくなく、おそらく辞めさせられるだろう。