ネットワーキングイベントに関して、コロンビア大学ビジネススクール教授のポール・イングラムとマイケル・モリスによる注目すべき研究がある。

 両者は、同スクールのエグゼクティブ向けMBAプログラムの一環として、異業種の人々が一堂に会するネットワーキングイベントを企画した。参加者の多くは、このMBAプログラムの「学生」であり、以前から大学側に、カリキュラムの一環としてより多くの交流イベントを催すよう働きかけていた。仲間の持つ豊かで多様なネットワークから必ずやメリットが得られるはず、というわけだ。

 こうして、企業のエグゼクティブやコンサルタント、起業家、銀行役員など総計100人ほどが、金曜の晩に集まった。このイベントに先立ち、イングラムとモリスは、知り合い関係の有無、および同イベントに参加する意図と目的を把握するためにアンケート調査を実施した。その結果、参加者1人あたりが平均で全体の3分の1程度と知り合いであること、大半の人が新しい出会いのために同イベントを利用したいと考えていることが判明した。

 参加者がそろった時点で、イングラムとモリスはこう指示した。「普段通りに振る舞ってください。飲食を楽しみながら、話したい人と話してください」。その後、両教授は追跡バッジを使って、誰が誰に話しかけたかを観察した。

 結果は、もうおわかりだろう。ほとんどの参加者は、知り合いと話す傾向があった。95%の参加者が新しい出会いを望んでいると表明していたにもかかわらず、平均的な参加者は時間の半分を、3分の1ほどいるということだった知り合いと過ごしていた。

 数少ない新しい出会いは、自分自身に似ている人との間に起きる傾向があった。コンサルタントはコンサルタントに話しかけ、銀行役員は銀行役員に話しかけるといった具合だ。新たな会話と多様なコネクションの両面から、同イベントでネットワーキングに最も成功した人は結局、会場のバーテンダーだった。