戦略の方向性

 7. 企業戦略について、全員に一貫した理解があるか?

 堅固な企業戦略の最初の手がかりは、経営陣と取締役会の間に、自社と環境に対する一貫した理解が存在するかどうかだ。新任取締役は、経営トップおよび取締役会が自社の保有している、または保有していない事業の種類、およびその理由を、説明できるか確かめるべきである。

 会社の相対的アドバンテージを理解しているか?会社の新しい成長基盤や投資条件に関して一貫した説明をするか?また、そうした見解の主要な要素は組織全体に伝わっているか?

 8. 事業機会に対して、リソースをダイナミックに一致させているか?

 バランスの取れたポートフォリオは当然、現在の収益予測を実現するイニシアチブ、中期的成長を創出するイニシアチブ、そして、高リターンの選択肢を支えるその他のイニシアチブを含んでいる。重要なのは、このポートフォリオの更新が常に、未来志向の投資により行われているかを確認することだ。

 投資家が提案する前に事業売却をしているか。CFOは高収益の中核事業の軌道についても、厳しい疑問を投げかけているか。競争的な買収を避けるために、その他の買い手候補に十分先んじて、将来の買収対象に目を向けているか。

 価値創出における最も重要な手段の1つは、積極的なリソース配分である。そのため、さまざまな事業や地域のR&D、営業、そしてマーケティングへの投資などにおける、非連続的なリソース転換を確認し、資本的支出が事業および地域間での成長焦点の転換に対する指標になっているかを調べるといい。

 9. 事業部門別の戦略は、有効性の基準を満たしているか?

 各事業部門戦略のレベルにおいては、取締役は経営部門が示す予測、優先事項、そして選択肢を把握しておくべきだ。有効な戦略に関する10項目のテストに照らして各戦略を評価することで、取締役は弱点を探ることができる。

「最近、戦略のテストは行っているか?(Have You Tested Your Strategy Lately?)」と題された2011年マッキンゼー・クォータリーの記事で解説しているように、これらのテストには、戦略がアドバンテージの真の源泉を活かしているか、競争すべき分野に関して緻密であるか、偏見に陥っていないかが含まれる。

 その基準は高く、ほとんどの企業の戦略において、合格に達するのは10項目中4項目未満である。失格となる可能性が最も高い2つのテストは、競合他社にはない特別な知見を基盤にしていること、そして、将来に関する不確定要素を考慮していることであるため、簡略版にもこの2項目は確実に含めるべきである。