●プレゼン資料を完璧にする作業よりも、話し方の練習にはるかに多くの時間を割く

 パワーポイント資料の計画・デザイン・仕上げにかける時間と、プレゼンを声に出して説明する練習の時間を、それぞれどの程度費やしたか。我々がクライアントにこう尋ねると、ほとんどの人は、後者にはほとんど時間を割いていないと認めた。これはネイティブスピーカーでもよく問題となることだが、英語を母語としない人にとって、リハーサルと反復は、プレゼンの成功に向けて準備するうえで特に重要なステップだ。

 ここで目指すのは、プレゼンの「オーバーラーニング」、つまり練習を十分やったように思えても、そこからさらに続けることである。これにより、プレゼンが長期記憶に定着し、ひいてはストレスの影響を受けにくくなるのだ。また、プレゼン内容のコア部分が自分の長期記憶にきちんと保存されている(そして取り出すことができる)という確信が生まれることで、より自然に話せるようにもなる。

 ●自分の訛りを気にしすぎずに、ゆっくり話す

 誰もがある程度の訛りを持っており、それは英語のネイティブスピーカーでも例外ではない(私はネイティブのニューヨーカーだが、ニューヨーカーの訛りは全世界で評判が悪い)。1つの国でも、別の地域に住んでいれば、訛りで識別が可能な場合もある。

 とはいえ、聞き手に話の内容が理解されないようであれば、話し手の訛りは問題かもしれない。馴染みのない訛りが特に問題となるのは、プレゼンの最初の1~2分、聞き手が話し手を理解しようと努めなければならない部分だ。

 クリスティン J. バン・エンゲンとジョナサン E. ピールは、『フロンティアズ・イン・ヒューマンニューロサイエンス』誌掲載論文の中で、次のように述べている。訛りのあるスピーチを聞いている人は、それがいかなる種類のものであっても、「了解度、理解力、処理速度の低下という、難聴や周囲の騒音によってもたらされるのと同じ影響」を経験する。

 話すスピードを落とすことで、聞き手にしっかり耳を傾け理解してもらう一助となる。出だしの言葉を意識的に選び、注意深く発音しよう。言葉を急いで繰り出すのではなく、はっきりと伝えるのだ。プレゼンが進むにつれて、聞き手の耳は話し手のアクセントに次第に慣れていき、話を理解しやすくなるため、訛りはさほど問題でなくなっていくはずだ。

 ●間を早めに、そして多く取る

 プレゼンにおける間(ま)には、2つのメリットがある。第1に、話し手の伝えたいことを聴衆が理解するのに役立つ。第2に、話し手自身が一息つくことができる。

 バン・エンゲンとピールによれば、訛りのあるスピーチを聞き手が理解するためには、より多くの認知資源が必要になるという。スピーチの内容を理解し記憶するためだけでなく、他の情報や課題(聞き取る努力など)があるためだ。話に間を入れると、聞き手に認知資源の消費を休止してもらい、話の内容を吸収する機会を与えることになる。

 そして、間は話し手にとってもメリットとなる。次に話すことを思い出したり検討したり、メモの確認、聴衆の様子をうかがう、水を一口飲む、などができる。

 また、間を利用して話のペースや発音について聴衆に確認し、親密な雰囲気を形成することもできる。たとえば、こんな言葉でもよい。「ここで一息入れさせてください。私の言っていることは、[スペイン語/フランス語/日本語/ヒンディー語/その他の母語]にすれば完全に筋が通っているつもりなんです。私の英語では、どの程度明確でしょうか」

 おそらくは、聴衆からただちにポジティブかつ支持的なフィードバックをもらえる可能性が高い。同時に、話し手は一息入れて、深呼吸し、考えをまとめることができるだろう。

 英語を母語とする人もしない人も、完璧さを重視しすぎる。だが、あと少しの注意力、努力、コミットメントがあれば、英語が非母語でも、自信と能力と文化的な安心感を持ってプレゼンテーションができるのだ。


HBR.ORG原文:3 Tips for Presenting in English When You’re Not a Native Speaker, April 06, 2018.

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デボラ・グレイソン・リーゲル(Deborah Grayson Riegel)
リーダーシップとチームの開発を支援する企業、ボダ・グループ(The Boda Group)のプリンシパル。ペンシルベニア大学ウォートン校でもマネジメント・コミュニケーションを教えている。