EVのとらえ方:実例からEVの特徴を理解する(1)
(リクルートコミュニケーションズとアクセンチュアの共同研究より)

 より具体的にどのようにEVをとらえればよいのか。ここに一例として、リクルートコミュニケーションズ社(以下RCO)とアクセンチュアの共同研究におけるEVのとらえ方について紹介する。

 我々はEVを仕事(Work)、機会(Opportunity)、人(People)、対価(Rewards)、組織(Organization)の5つの構成要素でとらえている。この5つの構成要素は、図3に示すように網羅性のある12要素にブレークダウンされる。この12要素へのブレークダウンは、過去のリクルートワークス研究所のレポートなどを参考に定義したものだ。

写真を拡大
出所:アクセンチュア

 研究ではこれら12要素をEV可視化のフレームワークと設定し、国内都市部20~40代男女約1600名を対象に、自身の過去の転職活動においてどのような価値観(EV)で次の企業・仕事を探したか、その転職活動中に価値観(EV)はどのように移り変わったかについて可視化を行った。目に見えづらく言葉にも表れづらい個人の感性そのものである働き手個々の「EV」について、EV構造の実態、EVの変容性、EVと企業選択の関係性等について実データを用いて分析を行った結果、これまでのありがちなとらえ方とは異なる、EVの新たな特徴を発見した(図4)

写真を拡大
出所:アクセンチュア

特徴1: EVは、働き手一人ひとりでバラバラであり、割と短い期間で変容する

 言わずもがな、働くことへの価値観であるEVは働き手の一人ひとりによって異なる。この価値観の違いがEVの構成比率(自分にとってどの要素がどの程度重要か)の違いとして表れる。そして、このEVの構成比率は、日々のさまざまな出来事を受けることで、短い期間においても形を変える。

 図5は、同年・同月にAという会社の同じ部署同じ職種において中途採用選考した4名のEVの実例である。このように同じ会社の同じ部署を志向する同年代・同性別の働き手同士であっても、EVの構成比率は千差万別だ。共同研究においても、性別・年齢・年収といったセグメントで有意なEV構成の傾向は確認されなかった。

写真を拡大
出所:アクセンチュア