2つの重要なメッセージと、それに関連した警告

 これらのエピソードと我々の調査結果から、2つの重要なメッセージが明らかになる。

 1つは、健康への影響に関していえば、長時間労働はワーカホリックほど悪い影響は及ぼさないということだ。

 ただし、ここには警告文が付くことを忘れてはいけない。我々がサンプルとした従業員の週の労働時間は最長65時間であるため、それよりも長い労働時間が健康にもたらす影響は不明なのだ。週の労働時間が70時間以上であれば、仕事から距離を置いたり、リフレッシュする活動に従事したり、十分な睡眠をとったりすることが、かなり困難になるかもしれない。その点を差し引いても、やはり、働く時間の長短よりも、仕事に対する考えや感情のほうが、個人の幸福感や健康上のリスクに影響を及ぼすようだ。

 我々の調査から得られた2番目の重要なメッセージは、仕事が大好きなワーカホリックは、極めて重い健康リスクから多少は保護されているということだ。その理由は、「自分の仕事には、注いだ努力に見合う価値がある」と彼らが考えているからかもしれない。

 ただし、このメッセージにも警告が伴う。すなわち、エンゲージメントの高いワーカホリックは、エンゲージメントの低いワーカホリックと比較すると、生理的な健康リスク(RMS)が低いが、それでもやはり、ワーカホリックでない従業員と比較すれば、抑うつ感情、睡眠障害、さまざまな心因性の健康上の訴えのいずれにおいても、「該当する」との回答率が高い。これらはすべて、どんなに仕事が大好きでも、ワーカホリックな人の健やかな生活は損なわれる可能性があることを示している。