これらの結果に基づき、監督者が侮辱的な振る舞いをした場合の対処法について、我々は次の助言を提示したい。

 まず部下が知っておくべきは、リーダーによっては振る舞いが時々で変化するということだ。道徳面の高い意識と勇気があるリーダーは、一時的に侮辱的な振る舞いをした後に、支援的になり助けてくれるかもしれない。

 部下はこのことを心に留めて、リーダーが時に侮辱的な振る舞いをした際の対処法を学ぶことができる。たとえば、仕事を辞めたり報復をしたりするのではなく、リーダーとより建設的な会話をする好機ととらえ、今後はもっと支援的で課題を指導してくれる振る舞いをするよう促すとよい。我々の研究からは、侮辱的なリーダーの多くはこうした求めに対し、自分の行為を償うために建設的な反応をすることが示されている。

 次は、侮辱的な振る舞いをした結果、罪悪感を抱くリーダーに対する助言だ。通常よりもさらに建設的なリーダーシップを発揮すべく、いっそう努力するとよいだろう。ただしそのためには、他の仕事に使う時間と関心とリソースが取られ、全体的な仕事の有効性は低下する。

 また、侮辱的な扱いを受けた部下が、このような償いにより気持ちを回復できたかどうかは、我々のデータからは示されていない。したがって、部下との前向きなやり取りを継続的に行っていくべきである。

 とはいえ、リーダーは常にふさわしい振る舞いができるとは限らない。自制心のほころびや利害の衝突によって、時として「爆発」があるかもしれない。リーダーは、このようなことが起きたら、部下に謝罪の意を示し、償う何らかの方法を見つけるべきだ。そうすることで、従業員にとってより健全な職場環境をつくるのに役立つ。

 我々の研究は、組織に対しても、マネジャーへのトレーニング・プログラムを実施するよう促すものである。リーダーシップと対人スキルを向上させ、侮辱的な振る舞いを最初から抑制するのだ。道徳意識を高めるために、倫理研修を提供して、従業員に職場での自分の不当な振る舞いを定期的に省みるよう促すとよい。

 また、従業員の道徳的勇気を奨励し、あらゆる不当な振る舞いに対して積極的に償いをするよう促すための、方針を策定するのもよい。そうすることで、組織として謝罪と許しに関する基準を確立できるのだ。


HBR.ORG原文:When Your Boss Has an Angry Outburst, What Do They Do Next?  April 04, 2018

■こちらの記事もおすすめします
無礼な振る舞いを見過ごすとチームのパフォーマンスは低下する
部下への「思いやり」は「叱責」に勝る

 

ジェンユー・リャオ(Zhenyu Liao)
セントルイス・ワシントン大学の博士研究員。専門は組織行動論。

カイ・チー・(サム)・ヤム(Kai Chi (Sam) Yam)
シンガポール国立大学の助教授。経営学と組織論を担当。

ラッセル E ジョンソン(Russell E. Johnson)
ミシガン州立大学の准教授。経営学を担当。

ウー・リュウ(Wu Liu)
香港理工大学の准教授。経営学とマーケティング論を担当。

ジャオリ・ソング(Zhaoli Song)
シンガポール国立大学の准教授。経営学と組織論を担当。