スマホの用途は、はっきりしている。たとえば、待ち合わせをしている相手と連絡を取るときや、よりよい意思決定に役立つ情報を検索するときなどに、スマホは大いに役立つ。まさに、スマホがあってよかった、と実感する状況である。

 ただし、自分の人生すべてをスマホに差し出すのではなく、人生は自分の手でコントロールしよう。スマホが直接必要ではないときや、その場に集中すべきときには、スマホを(別の部屋に)しまう時間をつくるのが有益であろう。

 以上の研究結果を踏まえ、学生も従業員もCEOも、生産性を最大限高めるためには、スマホから離れる時間をつくり、より深い思考が必要な仕事を仕上げるようにするとよいだろう。

 さらに、「会議中はスマホを使わない」と決めるだけでは不十分かもしれない。筆者らの研究によれば、スマホをまったく持ち込まずに会議を行うほうが効果的であり、集中力や頭脳の働き、それにクリエイティブな解決策を導き出す能力が高まる。広く日常生活においてにも、スマホを(遠くに)しまうことで、集中力と認知力を高められるだろう。

 
HBR.ORG原文: Having Your Smartphone Nearby Takes a Toll on Your Thinking, March 20, 2018.

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クリスティン・デューク(Kristen Duke)
カリフォルニア大学サンディエゴ校レイディ・スクール・オブ・マネジメントでマーケティングの博士号取得候補者。意思決定と消費者経験に、不確実性と感情の複雑さ、およびコンテクストの要因がどのような影響を及ぼすかを研究している。

エイドリアン・ワード(Adrian Ward)
テキサス大学オースティン校マコームズ・スクール・オブ・ビジネス助教授。テクノロジーと認知、消費者の金銭的意思決定、モラルなどを中心に研究している。

アイレット・ニージー(Ayelet Gneezy)
カリフォルニア大学サンディエゴ校レイディ・スクール・オブ・マネジメントの行動科学とマーケティング准教授。消費者の判断と意思決定、社会的および慈善的行動、行動変化を専門に研究している。

マーテン・ボス(Maarten Bos)
カーネギーメロン大学社会科学・意思決定科学学部の客員研究員。意思決定科学と説得、行動経済学を中心に研究している。