『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 2018年5月号の特集は「会社はどうすれば変われるのか」と題して、企業変革について議論を深める。

 企業が成長を続けるためには、組織の規模や環境の変化に合わせて、たえず変革を続けることが不可欠である。かつては変革といえば、大規模かつ組織の構造を抜本的に変えるものが主流であったが、現在は日常的かつ継続的に変革を行うことが求められている。本特集では、組織文化や内部の人材を活かしながら、企業をいかに変えていくか、その手法を複数の視点から示す。

 IMD教授のN. アナンドらよる「企業変革を繰り返し成功させる方法」では、多様なケーススタディをもとに、真に効果的なチェンジマネジメントを実現するうえで必要な3つのステップが示される。企業変革の4分の3が失敗に終わるといわれている。その理由として、実行方法が問題とされることが多い。だが、筆者らの分析によると、そもそも何を変えるべきかを誤ってとらえているのも大きな要因だという。環境変化がより激しさを増すいま、企業が成長を実現するためには、自社の変革を繰り返すことが不可欠である。

 元ブーズ・アンド・カンパニーシニアバイスプレジデントのジョン R. カッツェンバックらによる「【名著論文再掲】社風を活かして変革する企業」では、組織文化と戦略転換を両軸とする、企業変革の核心が語られる。組織文化は企業に深く根を下ろしていて、容易には変更できない。したがって、経営者が企業を変革しようとする際は、往々にして、組織文化には手をつけず、戦略を転換することによって、それを実行しようとする。しかし、筆者らが提言する5つの原則に則れば、組織文化を触媒として企業を変革することができる。

 ハーバード・ビジネス・スクール教授のボリス・グロイスバーグらによる「変革は企業文化に従う」では、社風をマネジメントするために知っておくべき8つの文化特性が示される。優れたリーダーは、戦略と文化の力を最大限に活用することで、大胆な変革を成功に導いてきた。ただ現実には、社風という名の文化を武器に変えるどころか、その影響力とダイナミクスを理解していないがゆえに、足をすくわれるケースがほとんどだ。変革を実現する組織文化を構築するにはまず、自社の社風に対する理解を深めることが欠かせない。

 チェンジウェーブ代表取締役社長の佐々木裕子氏による「日本企業はなぜ変われないのか」では、日本企業における組織変革の方法論が示される。経済環境の変化が激しくなっている今日、伝統的な企業変革理論は、その実行では時機を逸したり効果が十分でなかったりと、限界が顕著になっている。また、日本の組織風土に根差した桎梏もある。筆者はコンサルタントとして、そうした課題に何度も直面し、克服してきた経験を通して、日本企業に適した変革方法を確立した。前半でその手順を解説した後、後半で組織文化や個人の意思との関係を論じる。

 IMD教授のステファン J. G. ジローらによる「組織再編:一新か、修正か」では、組織の一新か、修正か、適切な方法を選び、効果を最大にするためのフレームワークを提示する。変化を続ける市場に対応するために、企業はしばしば組織再編を迫られる。組織再編には、組織を一新する再構築(リストラクチャリング)と、微調整に留める再構成(リコンフィギュレーション)がある。どちらもイノベーションを推進し、業績の向上を目指す点では同じだが、成功するかどうかは状況によりけりである。