すべてのビジネスマンに欠かせない、
プラットフォームへの理解

 本書は、プラットフォーム企業に翻弄されたノキアのエピソードを絡めたプロローグに始まる。そしてプラットフォーム・ビジネスモデルを従来型の直線型ビジネスモデルと対照して解説し、現代の経済をつくり変えている理由を明らかにした第1章から4章、そのビジネスモデルの仕組みを解き明かした第5章から8章と続き、最後に「結論」として、次のビッグチャンスを見つける方法を紹介している。

 いずれの章も先駆的で豊富な事例が面白く、興味をそそられる。アリババはなぜイーベイを中国から駆逐できたのか、フェイスブックが先行したSNSに圧勝できたのはなぜなのか、グーグル+はなぜうまくいかなかったのか……。こうした事例がそれぞれの論点とうまく結びついているので、プラットフォームに対する理解も深まりやすい。また、巻末の用語集や丁寧な索引も、読み手にとっては有り難い工夫である。みずからプラットフォーム・ビジネスを立ち上げようという人は多くはないかもしれないが、ますますの発展が見込まれるプラットフォームというビジネスモデルをきちんと理解しておくことは、ビジネスに関わる誰にとっても必要なことだろう。経済を再編しつつあるように思えるプラットフォーム企業は、どの産業にも無縁ではないのだ。

 本書の「結論」には、プラットフォームのチャンスを探すには3つの要因に目を光らせるべきだとある。その要因とは、まず取引費用を下げたりボトルネックを取り除いたりするテクノロジー、そして需要が満たされていないネットワーク、最後にバラバラに存在する大量の未活用の資源だそうだ。これら3つの要因を満たしつつある業界として、医療業界、IoT関連、金融業が挙げられているが、これらのみならず、モバイル・テクノロジーのさらなる進化によって、伝統的な産業であっても、プラットフォームに飲み込まれる時が来るのかもしれない。