まずは、年齢である。ミレニアル世代が他の世代といかに異なるかは、よく言及される。だが我々の分析結果によれば、従業員の優先事項はどの年齢層でも驚くほど似通っていた。

 ミレニアル世代は意義のある目的をより重視する、という通念とは裏腹に、若い人は年長者よりも、社会的意義への関心がやや低く、キャリアに対する関心がやや高いことがわかった。事実、フェイスブックでキャリアとコミュニティよりも社会的意義への関心のほうが明らかに高かったのは、55歳以上のグループだけであった。このことは、人は中年期を迎えると社会貢献への関心が高まり、個人的なキャリアの進展はあまり重視しなくなる、という研究結果と一致している。

 だが全体的に見ると、年齢層間の違いはわずかなものであった。そして、これはフェイスブックだけのことではない。全米を対象とした世代をまたがる調査では、ミレニアル世代(同調査では1982~1999年生まれ)、ベビーブーム世代(1946~1964年)、X世代(1965~1981年)は、仕事の中核的価値観が同じで、重要度の順番も同じ傾向にあった。以前の記事でも述べたが、ミレニアル世代は、他の世代と基本的に同じことを望んでいるのだ。

 また、能力レベル、すなわち勤務評定による大きな違いも見られなかった。評価が期待以上、期待並み、期待以下の人たちのいずれも、これら3つの動機を重視している。そして、オフィスの地域別に比較した場合にも、キャリア、コミュニティ、社会的意義は全世界で重視されていることが明らかであった。

 最後に、職能別の分析を行った。カート・ヴォネガットの小説にはこうある。「『問題は人間さ。(中略)いつも機械といろんな悶着を起こしてくれる。もしあの連中がいなけりゃ、地球は技術者の天国だぜ』」(『プレイヤー・ピアノ』)。我々のアンケート調査によれば、これは間違っている。フェイスブックの技術者は、コミュニティを重要視しており、1~5点の尺度で平均4.18点の評価を下している。そして、年齢別や地域別と同じように、どの職能の人も、キャリア、コミュニティ、社会的意義を同様に重要と評価した。

 マズローは、こう述べている。「人の真の欲求を知ることができれば、心理学上の大いなる達成である」

 我々のデータによれば、人々は自分が仕事で何を求めているかをとてもよくわかっており、基本的に同じことを求めている。理想的な仕事とは何かを問えば、ほとんどの人は、キャリア、コミュニティ、社会的意義を望むのである。20歳も60歳も、技術畑も営業畑も、ルレオ、ブラジル、シンガポール、デトロイトで働く人も、これらを重要な動機としている。

 何を、誰と、何のためにやるべきか――人はみな、その答えを見つけたいのだ。


HBR.ORG原文:The 3 Things Employees Really Want: Career, Community, Cause, February 20, 2018.

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ペンシルバニア大学ウォートンスクール教授。著書に、『ORIGINALS』『GIVE & TAKE』がある。