マクドナルドはイノベーションセンターを活用
メイシーズは「スマート試着室」を導入

 成熟期に入った小売企業の中で、売上高成長は低下しても利益成長を高める生産性向上策として、次のような事例を紹介しています。

 マクドナルドはイノベーションセンター活用で新商品導入に成功、メイシーズは「スマート試着室」の導入で販売効率を改善、ホーム・デポは配達時間短縮のチャネル改革や高利益率のPB商品の開発、クローガーはデータアナリティクスの向上により顧客満足度を急上昇させ、フット・ロッカーは優秀な人材の採用と最適な人材配置で生産性を高めています。

 一方、不調グループとしては、ターゲット、ノードストローム、GAP、ウォルマートなどの20社を挙げています。これらの多くは、売上高成長を追い続けて、採算度外視の出店を続けていると指摘します。また、規模を追うだけのM&A戦略により、利益率が低下しています。論文は、小売業界関係者に強い示唆を示すのはもちろん、他産業にも応用可能です。

 第5論考は、有力スポーツ用品企業のアシックスが、一時の経営危機をいかに乗り越えて、今後はどう新生し、次の成長に繋げていくか、その背景にある戦略転換の考え方と実践法を尾山基社長に明かしてもらいました。一つの事業が別の事業に与える影響を考慮しての戦略転換など、経営者の戦略思考法がわかります。

 早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄氏の連載「世界標準の経営理論」では、実証分析のプロセスが詳述されています。経営分野では研究者だけでなく、ビジネスパーソンも実証分析が実行可能で、仕事に活用できるものと論じています。読者の皆様も是非、チャレンジしてみてください。(編集長・大坪 亮)