動かない中間層が
新しい挑戦に向かう条件

入山 社内の中間層を巻き込むことも重要ですね。大企業の若手社員が「若手ががんばっても中間層が動かない」と嘆く声をよく耳にします。

深田 たしかに中間層には不確定な未来より、確実で安定した現在にとどまってしまう傾向がありますね。

入山 私は、中間層を動かすうえで大切なのはビジョンを示すことだと思っています。誰しもイノベーションの近道だと分かっていても、新しい道には進みたがらない。そこにあえて突き進むにはビジョンへの共感が欠かせないのです。「GCカタパルトの事業は大変だけど、それ以上にワクワクする」と心から思えるかどうか。そのためには、アプライアンス社のビジョンを繰り返し社員に訴えて「腹落ち」させることが大事だと思います。

イノベーティブなアイデアを
仕組みとして見つけ、育てる

パナソニック アプライアンス社
ゲームチェンジャー・カタパルト 代表
深田昌則
 Masanori Fukata
1989年パナソニック(松下電器産業)入社。米国松下電器およびカナダ松下電器に赴任。帰国後、AVC社海外宣伝課長や五輪PJ推進責任者を担当。2010年パナソニックカナダにて市販営業担当ディレクターに就任、2015年よりアプライアンス社海外マーケティング本部新規事業開発室長。2016年に社内アクセラレーター「Game Changer Catapult」を立ち上げる。

深田 新規事業の立ち上げで難しいのが投資判断です。そこで、シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタルと合弁で事業投資会社を設立する予定です。

入山 日本では一般に新規事業を2~3年で評価しますが、実はその方法ではブレイクできません。エアビーアンドビーもウーバーも最初の6~7年は全くユーザーを獲得できなかったわけですから。いわゆるエクスポネンシャル(指数関数)カーブにおける閾値に到達するまで、成果の出ない事業に投資を続けなければならず、強い意志と目利き力が必要です。ここに外部のベンチャーキャピタルを活用するのはいい手ですね。

本間 社外で事業化してベンチャー投資や事業運営のノウハウを蓄積する。いわば「出島戦略」です。

入山 アプライアンス社の本部がある滋賀県草津市は京都からすぐですから、京都が持つ独特のアセットを生かせば、海外の投資家やクリエーターも日本に呼べるんじゃないですか。

本間 実はそれも考えていて、4月に家電のデザイン部門を京都に移すことが決まっています。もともとデザインチームが日本のエレクトロニクスと伝統工芸を融合させる試みに取り組んでおり、昨年のミラノサローネで「ベストストーリーテリング賞」を受賞しています。京都に拠点を持つことで、日本企業としての強みをより生かせるのではないかと思っています。

入山 それは素晴らしい。ますます可能性が広がりますね。

本間 今後も、若い世代の価値観を取り入れるため学生との連携など、さまざまな共創にさらに精力的に取り組んでいきたいと考えています。

入山 いいですね。そのときはぜひ早稲田大学ビジネススクールとも連携させてください。世界中から多様で優秀な人材が集まっていますから、知と知が響き合って新たなイノベーションがきっと生まれると思います。これからの活動にも期待しています。

■お問い合わせ
パナソニック株式会社 アプライアンス社
滋賀県草津市野路東2丁目3番1-1号
http://gccatapult.panasonic.com/aboutus/contact.php

 

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