もしあなたがリーダーで、「どうして以前よりも長い時間働いているのだろう?」と疑問を抱いているのなら、あなた自身と、現在のあなたを生み出した組織、そして、あなたがずっと繰り返してきた組織内での働き方をじっくりと見つめ直してほしい。懸命に働けば、報われるうえに達成感もあるだろう。しかし、あなた自身の生き方はどうか。自分や部下にプレッシャーをかけすぎるのがどんな時かを認識し、自分自身や同僚を崖っぷちから救い出す方法を学ぼう。

 あなたが抱えてきた不安が、みずからを現在の地位に押し上げたのかもしれないが、その不安は、いまも有効に機能しているだろうか。あなたは成功したのだから、事実を認め、その体験をもう少し楽しむようにしてもよいのではないか。そして、もし上司が、不安にかられて必要以上に頑張るタイプだとしたら、彼らがみずからの不安をあなたに投影していること、すなわち、上司についていけない自分は無能だという不安をあなたに抱かせていることを認識しよう。

 長時間働くことがどうしても必要な時もあるだろうし、そうしたい時もあるだろう。そういう時は、意識的に働くことだ。一定の期間だけ、特定の目的を達成するためだけにしよう。他の働き方や生き方を忘れてしまったからといって、長時間働くことを常態化するのはやめよう。

 そして、あなたほどがむしゃらに働いていない同僚を自分がどう評価しているか、考えてみよう。そうした同僚は、実はあなたの知らない生き方を見出しているのかもしれない。

 もしあなたがリーダーなら、自社だけでなく、そこで働く人々にも責任があるはずだ。仲間が自分の力を最大限に引き出せるようサポートするのはいい。だが、彼らの不安感をあおって利用することはやめよう。

 そして、忘れないでほしい。あなたの「注意義務」が究極的に向けられるべき相手は、あなた自身なのだ。


HBR.ORG原文: If You’re So Successful, Why Are You Still Working 70 Hours a Week? February 01, 2018.

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ローラ・エンプソン(Laura Empson)
ロンドン大学カス・ビジネス・スクールのマネジメント・オブ・プロフェッショナル・サービス・ファームズ教授。ハーバード・ロースクールのシニア・リサーチ・フェローでもある。過去25年間、専門職の企業にリーダーシップとガバナンス、組織変革の研究とコンサルティングを行ってきた。近著にLeading Professionals(未訳)。学術研究に入る前は、戦略コンサルタントおよび投資銀行家として活躍。