アマゾンvsグーグル
オンラインショッピングの覇権争い

 2017年12月末の世界の時価総額のベスト5は、1位アップル、2位アルファベット(グーグルの親会社)、3位マイクロソフト、4位アマゾン・ドット・コム、5位フェイスブック。これら5社は、将来にわたり高額の利益を生むと株式市場から評価されているわけである。

 その主因が技術革新力であり、前述の通り、本書はこれらの企業の動向に多くのページが割かれている。その中で、アマゾンが他者を大きくリードしていると説明するのが、第3章「音声操作はインターフェースの覇権を握るか」である。

 具体的には、昨年から日本でも続々と発売され、話題になっている音声アシスタント端末のことである。人が「部屋の電気をオンにして」「音楽を流して」などと端末に呼びかけることで、端末がネットで繋がっている電気機器などを操作できる。米国では「アマゾン・エコー」が2014年11月から販売開始され、累計発売台数500万台以上に達する。これに対して、グーグルが「グーグルホーム」を2016年11月から発売開始し、アップルは2018年初頭に「ホームポッド」を発売予定である。

 本書は、これらの競争の深層には、家庭でのオンラインショッピングやスマートホーム化の覇権争いがあると分析する。アマゾン・エコーを置く家庭が、それを使って日常品をオンラインショッピングするようになると、他の小売企業はこれまで以上に窮地に追い込まれる。そこで、コストコやターゲット、オフィスデポなどの大手小売企業はグーグルと提携し、その端末から自社でオンラインショッピングをしてもらおうという目論見である。

「アマゾンで検索、アマゾンで購入、アマゾンが配送」とアマゾンによる顧客の囲い込みを阻止するために、グーグルは音声アシスタント端末を家庭に入れ、オンラインショッピングサイトの運営に乗り出している、と本書では解説する。顧客の囲い込みは、アップルもマイクロソフトも望むところで、争いが激化しているという。

 以上、本書の5章と3章の事例を紹介したが、本書は今ビジネスパーソンが知っておくべきテーマを、深く、わかりやすく、面白く、著している。最新動向を取り上げているため、数カ月経つと鮮度が落ちてしまうかもしれないが、技術革新の方向性を理解するにはとても役に立つ。