●現実的になろう

 行動を起こす前に、「あなたが上司や同僚、同輩、顧客から受けられると期待している」評価の程度が現実的かどうかを自問するように、マッキーはアドバイスする。「みんな忙しいのです。あなたが望むほどのフィードバックはもらえない」としても、職場の状況を考えれば妥当かもしれないとマッキーは言う。

「相手も人間です」とディロンは言い添える。「善意はあっても、同僚や上司はあなたがやっていることを見過ごしたり、できて当然と思ったりするかもしれません」。

 正当に評価されていないと感じるときは、まず、自分の最近の功績についてみずから「リトマス試験」をすることをディロンは勧める。「並外れた業績だったか。同輩の水準を明らかに上回っていたか」と自問するのである。

 さらに大事なのは、「私がやったと主張したら、イヤなヤツだと思われないか」という自分への問いかけだ。確信が持てないときは、「少し上の先輩」か「心から尊敬する」同輩にセカンド・オピニオンを求めるとよい。

 ●上司に話そう

 人一倍の努力が正当に評価されていないときは、上司と話し合うようマッキーはアドバイスする。といっても、この手の話を受け止めてくれるかは、上司にもよる。「凡庸な上司の場合、この人間の自然な欲求に注意を払いません」とマッキーは言う。

 あなたの上司がこのカテゴリーに属する場合は、「相手を変えることはできない」と肝に銘じるよう、マッキーはアドバイスする。「それでも、あなたの業績についてもっと対話したいと示唆することはできます」と言う。「また、あなたの上司が平均以上であれば、あなたの要求に耳を傾けるかもしれません」

 もちろん、さりげなくやらなければならない。「いきなり『もっと評価してほしい』と言ってはいけません」。代わりに、マッキーは次のような言い回しを勧める。「過去3ヵ月のことについてお話して、私の強みはどこにあるか、そして学べるところはどこか、感触を得られたらと思っています」

 具体的な例を用意して臨むように、ディロンはアドバイスする。あなたの成果について、上司の記憶を呼び起こすために、最近の功績のリストを作成するのもよい。「大半の管理職はそのリストを喜んで受け取ります」

 ●あなたのチームの認知度を高めよう

 チームを率いている場合は、そのチームのやっていることを周囲に伝え、それが重要である理由を説明する必要もあると、ディロンは言う。「現代の多忙な日常生活に紛れて、上司や同僚は(あなたの仕事の一部始終に)気づいていないかもしれません」。あまり時間は取らせないからと上司を説得して、「チームが何をしていて目標は何か、そして向上するためにどんな努力をしているかを話しましょう」とディロンはアドバイスする。

 またマッキーは、チームの日々の取り組みに注目してもらうには、ちょっとしたことが役に立つと言う。プレゼンや報告を発表するときに、作成者が誰なのかを明らかにするのだ。「成果物に全員の名前を必ず記載することです」。できることなら、チームの成果は、直属の上司以上の人の目にも触れるようにしたいものだ。称賛を受けて当然である場合は、チームの功績をあなたの内に秘めたりせず、確実に広く知らせよう。

 この際、あなた自身のリーダシップをアピールすることも恐れてはいけない。「チーム全員の功績であることを強調し、自己PRに聞こえないように配慮するあまり、自分自身がチャンスを逸することがあります」とディロンは説明する。

 この傾向は、男性よりも女性のほうが強いと彼女は指摘する。「『私はXとYを達成しました。その間受けたサポートに感謝します』といった文脈で、『私』という言葉を用いる」のがよいとディロンは言う。

 ●他者の貢献を認めよう

 自分自身の業績を知ってもらう確実な方法の1つは、「逆説的ですが、他者を称賛して評価する」ことだとマッキーは言う。「あなた自身が、うまくいった仕事を評価できる人になる」ことで、企業文化に「変化をもたらせる」とマッキーは説明する。ほとんどの場合、「称賛を受けた相手は、それに応じて恩を返します」と、彼女は言い添える。

 上司がポジティブなフィードバックを返さないタイプなら、あなた自身がチームに「互いに支え合うためにそれぞれができること」を話し、チームメンバーの間に前向きな姿勢を醸成しよう。「現代の企業はペースがあまりに速く、成果物もすぐに時代遅れになったり、人目につかなくなったりします」とマッキーは指摘する。

 彼女が勧めるのは、チーム内に規範を定めて、メンバーが重要な貢献をしたときや、プロジェクトを完成させたときなどに、「全員がナノ秒間、手を休めて『イェーイ!』と歓声をあげる」ことだ。ただし、やりすぎは禁物だ。「ありがとうの大盤振る舞いだと、効果はかえって減りかねません」とディロンは言う。「判断力を働かせる必要があります。『並外れた頑張りで本当に認められるべきは誰か』と自問しましょう」

 ●自分自身の真価を確認しよう

 業績が認められ評価されるのは素晴らしいことだが、すべての「モチベーションが称賛や表彰、感謝状からわいてくる」ことなどないと、ディロンは言う。内発的なモチベーションのほうがはるかにパワフルなのだ。「仕事そのものに意味を見出すよう、努力する必要があります

 マッキーも同意見だ。「結局のところ、職業人生において望ましいのは、外部による真価の確認(エクスターナル・バリデーション)が必要なくなることです。真の充足感は内からわいてくるものです」と言う。 

 そこで、定期的に自分自身を褒める努力をすることを勧める。「毎週末に時間をつくり、うまくいったことと、うまくできなかったことを振り返ってみましょう」。これを実践すれば、自分が得意なことと、なぜいまの仕事をしているのかを思い出すのに役立つ。

「失敗モードに陥って、うまくいかなかったことばかりをいつまでも考えすぎないように注意してください」と、マッキーは言う。「成功例のカタログをつくりましょう」 

 ●転職を検討しよう

 ここまでやってもやはり会社から過少評価され、正当に評価されないと感じるのなら、いまの職場があなたに合っていないことの証かもしれない。「さまざまな理由から、多くの人は完璧とはいえない職場にとどまります」とマッキーは言う。

 経験が必要なときもあるかもしれないし、配偶者やパートナーの事情で特定の場所にいる必要があって、動きが取れない場合もあるだろう。だが、仕事を一層やりがいがあって充足したものにしようと試み続けて、まったく効果がなかった場合は、新たな職を探すときなのかもしれない

 ●覚えておくべき原則

 やるべきこと
 ・同僚に期待する自分への評価の程度が現実的であるかについて、セカンド・オピニオンを求める。みんな忙しい、ということだけは忘れずに。
 ・他者の貢献を称賛して評価する。うまくいった仕事に気づくことで、よりポジティブな企業文化の創出を後押しする。
 ・自分の業績をより目立たせる方法を探す。

 やってはいけないこと
 ・自分自身の真価の確認を軽視しない。週の終わりに時間を作り、うまくいったことを振り返る。
 ・チームの功績に対する称賛を内に秘めない。全員の貢献を明らかにする。
 ・あなたのことを評価しない会社や職に、必要以上に長くとどまらない。