――確かに、そうした支援を必要とする企業は増えていきそうです。それでは、自社にAIを導入する際、経営者はどのようなことに注意すべきでしょうか。また、それに対してマイクロソフトはどのような支援を提供するのでしょうか?

 経営者の皆様にまずご理解いただきたいのは、今後はますます「データ」が重要になるということです。ビジネスでAIを活用するためにはデータ戦略が肝となり、ある予測を行うにはどのようなデータが必要で、それを使ってどういった予測モデルで推論するかを考えなければなりません。予測がうまくいかなかった場合は原因を検証し、データを変更/追加したり、組み合わせ方や形式を変えたりといったことを試行錯誤します。AIが最初からパーフェクトな答えを出すことなどありませんから、そうした地道な取り組みが必要になるのです。

 マイクロソフトは、この取り組みをサポートするさまざまなテクノロジー/プラットフォームをご提供します。また、これらを利用して各種アプリケーションを構築する支援サービスのほか、当社のパートナーやISV、システム・インテグレーターと協力してアプリケーションをご提供することもできます。

――経営者の中には、AIを導入すれば、あとは勝手にデータを集め、適切に組み合わせて予測してくれると誤解している方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは人がやらないといけないわけですね。

 AIに限らず、ただ1つのテクノロジーが“銀の弾丸※”になることなどありません。AIの活用において鍵になるのは、人が持つ“発想力”です。使用するデータや組み合わせ方について、ときには突拍子もないアイデアが新たな発見をもたらすことがあるでしょう。それには発想力が必要だと思いますので、これを持つ人材を育てていかなければなりません。意外に思われるかもしれませんが、私たちがAIをよりよく活用していくために、今後ますます“人材”が重要になっていくのです。

※それ1つで全ての問題を解消する万能的な解決策の例え。ITの世界では、新たに登場したテクノロジーに対して過度に期待する風潮への警句として「銀の弾丸などない」という言葉が使われる。