●ビジョン

 人生と仕事における長期的な目標について、早くから話し合い、定期的に修正を加えていくとよい。カップル間の調整と相互支援が足りないと、長い人生の方針全体が脱線するおそれがある。目標達成のためにどんなサポートが必要か、それを誰が提供するのかをはっきりさせるとよいいだろう。

●積極的に話を聞く

 女性からの不満で最も多いのは、話を聞いてもらえないことである。一方、男性は感謝されている感じがしない、とよくこぼす。女性の不満に対しては、定期的に座って相手の話を聞くセッション(できれば毎月、少なくとも四半期に一度)を導入することだ。何かしながらではなく、顔を見て集中し、パートナーが言いたいことを全部、黙って聞く。次に、聞いた内容を繰り返してみせる。必要に応じて、修正を加える。次に、立場を入れ替える。何となくきまりが悪い? しかし、この習慣が2人の関係を救うのである。

●フィードバック(別名おだて)

 フィードバックは大事だ。わかっていても、家庭でも、職場でも昨今、フィードバックはなかなか耳にしない。一般に推奨される比率は「5対1」、肯定的な意見5回に対して、「建設的な」意見1回である。人間は褒められるのが好きだし、近くにいるパートナーからであれば、なおさらそうだ。だから音量を上げて、配偶者がいかに美しく、賢く、優しく、協力的かを直接伝えよう。いいところをほめて成長を見守る。わざとらしい? だが、相手の瞳はきっと輝き出すはずだ。

 パートナーが本気で向き合ってくれず、歩み寄ろうとする気配もなく、第三者の助けを求めることも嫌がるのなら、それはなぜかと理由を考えてみよう。職場と同様に、まず自分のことから考えてみると面白いだろう。自分自身の問題点や、周囲の人に与える影響を知り、問題となる反応を引き出す原因のどこまでが自分にあるのかを理解することだ。セラピストやコーチに相談するのもよいだろう。

 そして、自分自身を理解した後でも関係が改善しないなら、あと1つ、問いが残っている。あなたはなぜ、このチームにいるのか。あなたがここにいるのは愛情のためか、それとも不安のためか。

 つい最近まで、女性は経済力が弱く、不安が大きかった。愛情がないのは困りものだが、貧困よりはましだ。多くの女性にとって、経済的な自立を手に入れることは、パートナーとのより高い水準の関係を築けるということである。女性は職場でも、家庭でも、愛情と感謝とサポートを求める。これらを提供しない会社は、女性の離職率に悩むことになる。去った女性の多くは、自分で起業するだろう。これらを提供しないカップルも同じで、女性が去っていくはずである。

 家庭でも職場でも、女性をつなぎ止めるには、スキルと自己認識が必要だ。それには注意力と、昨日のルールを今日の現実に合わせる意識的な修正力が大切になる。職場においては、企業の文化と体制を変える必要が出てくる。それは家庭でも同じだ。両パートナーの可能性を高めるための戦略的フォーカスが必要であり、延びていく寿命に応じた長期的な家族のビジョン、相手の話を何度でも注意深く聞く姿勢、定期的な褒め言葉が求められる。このどれかが欠ければ、終わったも同然である。


HBR.ORG原文 If You Can’t Find a Spouse Who Supports Your Career, Stay Single, October 24, 2017.

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