「イノベーション」と「オペレーション」の間で還流を図る

 2017年6月にハーバード大学Technology and Entrepreneurship Centerで開催された Technology and Entrepreneurship Center at Harvardが主催する2017 Next Generation Operations Summit においてMeri Stevens氏(同社Vice President of Strategy and Deployment)が講演した内容()にもSupply Chain Teamのあり方は重要なポイントとして強調されていた。同氏の講演内容にもヒントを得ながら、さらに具体的に今後のサプライチェーン部門の全体像を構想すると図1のようになると考える。

※https://lnwprogram.org/content/transforming-supply-chain-johnson-johnson

出所:アクセンチュア

 多くの日本企業にとっての現状である、オペレーションエクセレンス型サプライチェーン部門を思い浮かべたときに、今後は「渉外」「イノベーション」「パイロット」の専任部隊を新設したい。「渉外」部隊はパートナー候補会社、他社・他業界と接触して次々に登場する新技術情報とその適用確度の情報を社内に持ち込む。新たな発想に触れることを恐れないオープンなマインドセットを持ちつつも、自社サプライチェーンの経験・知識をしっかりと持っている者を人選したい。

 「イノベーション」部隊は新技術や新しいパートナー会社と組むことで、自社では難しいと判断されてきたどのような「コトの供給」が可能になる可能性があるか、シーズとニーズのマッチングを「なるべくマッチさせる姿勢で」考えていく。この部隊には商品の知識を持つ者、マーチャンダイザー出身者を一定数入れておきたいし、商品企画部との人材還流もその仕かけとしては有効である。

 「パイロット」部隊は実際に新供給方式を小さくやってみる部隊だが、そのアウトプットは前述したような、供給シナリオの判断基準とシミュレーターでなくてはならないので、それらがつくれる論理的思考力、数値的思考力を持つ者を実行力に秀でた人材とともに配することには留意したい。

 オペレーションエクセレンス側のチームとも適宜人材ローテーションはすべきだが必要な経験とキャリア形成の観点からは「渉外」と「オペレーション管理」、「イノベーション」と「オペレーション実行」の間で還流を図っていくことが定石としてはよいと考える。