製品・サービスのライフサイクルが「シャークフィン型」に

A)供給する対象は「モノ」でなく「コト」である

 モノからコトへはもはや使い古された感のある言い回しだが、サプライチェーン視点で改めて整理すると「コトを供給=複数のモノ+受取手段+情報」の包括提案と私は解釈している。消費者が利用する「コト」のシーンをつくるために複数の異なるモノと情報の供給をあるタイミング・受取地点において合流させなくてはならない。

●複数のモノ:ランニング=シューズ+ランニングウェア+栄養サプリメント

●複数の受取手段:店舗、職場、旅先、自宅

●情報(自分のランニングコースに合ったシューズモデルのレコメンド、身体情報に合ったインソールのセミカスタマイズ、ランニングメニューに合わせて飲むべき種類のお薦めサプリメント)

 サプライチェーンを検討する側が好むと好まざるにかかわらず、このような要請がコトでの競争を他社と繰り広げる販売側から供給側に上がってくる。

※「モノからコトへ」を前提としたサーキュラー・エコノミーについては以下
https://www.accenture.com/jp-ja/insight-creating-advantage-circular-economy

B)短サイクルでサプライチェーンのモデルチェンジを求められる

 これまでは典型的に向こう5年から10年(いわゆる中期経営計画の期間)を支えるサプライチェーンをつくってくれという要請であった。現在は中期経営計画の間にビジネスプランが変更されることは多くの企業で起こっている。これは中期経営計画の練りが甘かったという批判をするには当たらず、経営が前提とすべきスピードが速まったものと割り切るほかないだろう。

 一つひとつの製品・サービスのライフサイクルについても、いわゆるシャークフィン型といわれる形が(図2)常態化した。デジタル技術の導入による製品開発~立ち上げの短期間化などが背景にある。これらを受けて、今日の経営が期待するサプライチェーンのモデルチェンジは少なくとも中期経営計画のサイクルよりもはるかに速い。シャークフィンを乗りこなすために新製品・サービスが当たったら急激にスケールアップし、外したらたらすぐにまた新しいサービス打ち出すから新しい供給モデルをつくれ、の繰り返しである。

写真を拡大
出所:アクセンチュア