石川 目標設定も従来とは大きく異なります。よくありがちなのは「対前年比○%削減」といったものですが、ZBBでは毎年、ゼロベースで予算策定を行ない、支出の見直しおよび不要なコストの削減を実施します。

 また、再分類したコストを、アクセンチュアが保有する業種別のベンチマークと比較して、最適化が可能な領域を探し出します。併せて、中分類ごとに、理想的なコストを実現するための方針や方策を提案します。

自然と10%程度の
コストダウンができる

――コストの費目ごとに組織横断的に監督するオーナー(責任者)を設置する点もZBBの特徴ということですが、具体的にはどのように行いますか。

谷村 はい。例えば、情報通信関連コストのオーナーなら、世界各国の営業所、工場、部門など企業全体の情報通信関連のコストについて責任を負います(図4)。こうしたシステムを採用しているのは、他社や他地域、他部署との比較によって現状を改善する思考・習慣が身につくというメリットがあるからです。

 具体的に言うと、部署ごとのコストのバラツキを見ることによって、ネットリサーチ用のIDを必要以上に買っていたとか、同じ資料を何度もダウンロードしていた、休日と平日の管理体制が同じだったなど、コスト増の原因を突き止めていくことができます。従来は、部門からのリクエストに一方的に応えるだけで、そうしたことをチェックする仕組みはなかったですから。

 先ほど「無駄なコストが10%くらい眠っている」と言いましたよね。だいたいどの部署にも「その他」の費目があり、こうした方法で再評価すると、自然とその程度のコストがカットできます。

出所:アクセンチュア