アース ミュージック&エコロジー
に続く事業拡張のため人材抜擢

 組織の同調圧力に最も影響を受けるのが、抜擢される若手リーダーです。上層部の期待に応えようとして、個性を封じてしまうのです。

 そこから派生する問題を分析したのが、1つ飛んで特集の第3論文「逸材を襲う組織人の呪縛」です。たとえ「出る杭」的な人材を引き上げても、組織の呪縛が彼らを圧してしまうことを示したうえで、筆者は、呪縛から逃れる3つの方法を提言します。

 特集2つ目の論文「ポスト工業化社会の企業論:個人を組織から『分化』せよ」は、日本企業に固有の問題に焦点を当てています。高度経済成長期にはうまく機能した日本企業の共同体型組織が、ポスト工業化社会に入って成長の桎梏になっていると論じます。

 責任や成果の所在が曖昧な協働の組織から個人を「分化」し、個々の創造性がもっと発揮できる仕組みに転換すべきだと主張し、キャリア形成の複線化や副業の奨励など、具体策を事例とともに挙げています。

 4つ目の論考では、宇宙の謎に挑むカブリ数物連携宇宙研究機構の機構長、村山斉氏に、天文学、物理学、数学という異分野の天才が共同研究し、実績を上げる方法を聞きました。個が際立ちながら、協働だからこその成果を出すハイレベルなマネジメントです。

 5つ目の論考「『出る杭』を引き上げ、育てる経営への転換」は、「アース ミュージック&エコロジー」など複数のブランドを展開するストライプインターナショナル社長の石川康晴氏に、創業企業が事業を拡大するに当たり、人材をいかに引き上げ、育成するかについて論じてもらいました。

 6つ目の論文「ニューロダイバーシティ:『脳の多様性』が競争力を生む」は、自閉症やADHDのような非定型発達の人材を活かし、多様性の競争優位を生み出す方法を論じています。SAPやヒューレット・パッカード・エンタープライズなど先進する米国企業の事例とその考察は、日本企業が学べる点が多々あります。

 最後にお知らせです。本誌連載「世界標準の経営理論」の勉強会を、10月21日(土)13時に福岡で開催いたします。連載筆者である早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄氏が、連載では書ききれなかった内容を解説したり、参加者同士のディスカッションがあったりと、盛りだくさんの5時間です。申し込み方法などについてはhttp://peatix.com/event/300385/viewにアクセスください。

 上記は当編集部主催ですが、当社とは関係なく、読者の方が独自で主催される勉強会が、嬉しいことに、全国各地で催されています。

 例えば、福岡県福岡市での勉強会では、毎月2時間、DHBRを読んで興味を持った論文をもとに、共感部分や仕事に役立つこと、自分自身の課題などを話し合うとのことです。主催者は石橋成光氏で、お問い合わせ先はこちら(misatomomisatomo@yahoo.co.jp)。東京都墨田区では、区立図書館の会議室を利用して本誌の読書会が開催されています。DHBRの最新号を読まれた方による3時間の自由討議ということで、10月22日(日)も開催予定です。詳しくはこちら

 異分野の人との交流は、前述の入山氏の連載や勉強会でも、知を探索する方法として言及されています。(編集長・大坪亮)