ここで提案したいのは、市場浸透率を、私が「問題浸透率」と呼ぶ指標に置き換えることである。

 自社の顧客および潜在顧客のなかで、自社の商品にも関係がある何らかの問題(または満たされていないニーズ)を抱えている人々がいる。そのうちの何%が、現実的な解決策によって問題に対処し、商品への愛着を強めているだろうか。

 こう考えることで、焦点が自社商品そのものから逸れて、顧客と潜在顧客が解決したい中核的な問題に意識が向く。自社の商品やカテゴリーがどんな問題を解決しようとしているのかを、十分に把握できていない企業が多すぎるのだ。

 次に、問題に対処できているそれら顧客のうち、解決策や回避策に実際に満足している人々の割合を測定する必要がある。これぞまさに、潜在的な対象市場とその成長性を真に測定できる方法なのだ。

 たとえば、すでに米国で9000万世帯が保有しているコーヒーメーカーは、伸びしろは皆無に等しいと思われがちだ。しかし、スターバックスやキューリグ、ネスプレッソが登場したことで、真の問題は単にコーヒーを得ることではないと示された。自分にとって理想のコーヒーを、いつでも欲しいときに、好みの製法で、どこにいても手に入れる――これが核心なのだ。

 カテゴリーの創造者が世界を変えているいまこそ、指標もそれに遅れず変わらなければならない。


HBR.ORG原文:Tesla Shows How Traditional Business Metrics Are Outdated,  August 08, 2017.

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エディ・ユーン(Eddie Yoon)
成長戦略のシンクタンクおよびコンサルティング会社、エディ・ウッド・グロウの創設者。ケンブリッジ・グループのディレクターも務める。著書にSuperconsumers(未訳)がある。