戦略リーダーの多くは、みずからの鋭い直感、ハードワーク、長年の業界経験を誇りとしている。だがその「直感」の大部分は、単に「データへの深い理解」であり、そのデータはこれまで収集が困難で処理に高額を要していた。それももうすぐ終わりだ。AIはこの差を急速に縮めており、まもなく人間の処理能力の限界やバイアスを打破する役に立つだろう。

 このような発展は、多くの仕事を変えるはずだ。たとえば、コンサルタントや弁護士や会計士の役割は、「分析」から「判断」へと進化する。すでに未来の一流コンサルタントは、腕時計に組み込まれていたり(Siri〈シリ〉)、キッチンの棚に置かれていたり(アレクサ)、リビングルームに備えられている(グーグルホーム)と言ってよいだろう。

 要するに、企業のリーダーたちが気づいていようといまいと、自社に助言や情報をもたらす源は、破壊的変化を遂げようとしているのだ。AIによる「定量分析コンサルタント」や「ロボアドバイザー」は、今日のコンサルティング企業やその他の専門職に比べほんのわずかなコストと時間で、より速く、より優れた、より重大なインサイトを提供するだろう。

 もうまもなく、すべてのリーダーや経営チームはアレクサに次のような質問をするようになるはずだ。

「我が社の主要市場で、最も脅威となる存在はどの企業か?」「アマゾンと競うためには、我が社の資本をどのように配分すべきかな?」「取締役会をどのように再編すべきだろうか?」


HBR.ORG原文:AI May Soon Replace Even the Most Elite Consultants,  July 24, 2017.

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バリー・リバート(Barry Libert)
プラットフォームやネットワークに関するアドバイザー。機械学習のサービスを提供する企業、オープン・マターズの会長。The Network Imperative(未訳)の共著者。

 

メーガン・ベック(Megan Beck)
オープン・マターズのデジタルコンサルタント。ペンシルバニア大学ウォートン・スクールSEIセンターの研究員も務める。The Network Imperative(未訳)の共著者。